すれ違う兄妹
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
確かに彼女なら私達を有効に使うだろうな。」
「胡蝶は知っているのか?」
優華の質問に胡蝶は珍しく真面に答える。
こいつが普通に喋っている時点で俺は少し感動している。
「何度か噂は聞いた事がある。
最近、名実共に伸びてきている刺氏の一人だ。
私の勘だが、彼女はこの乱世を治める事ができる王の一人だろうな。」
「胡蝶にそこまで言わせるとは、中々の人物なのだろう。」
「会った事ないけどね。」
星と胡蝶が曹操について話をしている。
しかし、さすが司馬懿といったところだろう。
噂と勘だけで曹操の王としての資質を見抜いている。
俺と一刀は三国志の知識があるから、ある程度は頭で分かっている。
「さらに勢力を伸ばしたいと思っている曹操なら、私達が一時的とはいえ加入する事を望むはずだ。
まぁこれほどの布陣が揃っていれば、どこでも仕官できるけどね。」
胡蝶の言葉に素直に同意する。
俺と一刀は置いておいて、司馬懿に趙雲に太史慈に?徳に丁奉に馬良。
これほどのメンバーが揃っているのだから、文字通り喉から手が出るほど欲しいと思う筈だ。
三国志のゲームならもう侵略しかしないレベルだよな。
「てなわけで、陳留に向かう。
ここから距離は離れているけど、ゆっくり行くか。」
「縁だけ早く行ってもいいけどね。」
優華の毒舌に俺は血の気が一気に引くのを感じる。
この状況で馬に思いっきり引っ張られたら、背中などが大変な事になる。
「え、遠慮しておきます。」
『そうだよ。
縁様と離れ離れになるのは嫌だ。』
「ちっ、黎に救われたわね。
その命、次に絶対に奪ってやるわ。」
黎、今ならガチで結婚してもいい。
そう思わざるほど俺は安心している。
胡蝶が仲間に入ったのはいい事だ。
面倒事は主に俺だけにしか降りかかっていないので、不満の声は聞こえない。
俺の不満は爆発しそうなくらい、溜まっているけど。
「縁さん、大丈夫ですか?」
「美奈、君だけが俺の心のオアシスだよ。」
「おあしす?」
「つまり、君は俺の癒しって意味だ。」
「えへへへ、縁さんの役に立てて良かった。」
やべぇ、ロリコンに目覚めそうなくらい美奈が可愛い。
大人になったらさぞ美人に。
その時、ブォン!!と俺の頬の数センチ隣に斧が降ってきた。
「ッッッ!?!?!?」
「おっと、手が滑ってしまったようです。」
わ、わざとだ。
今のは絶対にわざとに違いない!
豪鬼は笑みを浮かべていたが、眼が笑っていなかった。
陳留に着く前に、俺は死ぬかもしれない。
「はぁ・・・・」
とある街で一人の女性がため息を吐いていた。
彼女の名前は関羽、真名
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ