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我が剣は愛する者の為に
すれ違う兄妹
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確かに彼女なら私達を有効に使うだろうな。」

「胡蝶は知っているのか?」

優華の質問に胡蝶は珍しく真面に答える。
こいつが普通に喋っている時点で俺は少し感動している。

「何度か噂は聞いた事がある。
 最近、名実共に伸びてきている刺氏の一人だ。
 私の勘だが、彼女はこの乱世を治める事ができる王の一人だろうな。」

「胡蝶にそこまで言わせるとは、中々の人物なのだろう。」

「会った事ないけどね。」

星と胡蝶が曹操について話をしている。
しかし、さすが司馬懿といったところだろう。
噂と勘だけで曹操の王としての資質を見抜いている。
俺と一刀は三国志の知識があるから、ある程度は頭で分かっている。

「さらに勢力を伸ばしたいと思っている曹操なら、私達が一時的とはいえ加入する事を望むはずだ。
 まぁこれほどの布陣が揃っていれば、どこでも仕官できるけどね。」

胡蝶の言葉に素直に同意する。
俺と一刀は置いておいて、司馬懿に趙雲に太史慈に?徳に丁奉に馬良。
これほどのメンバーが揃っているのだから、文字通り喉から手が出るほど欲しいと思う筈だ。
三国志のゲームならもう侵略しかしないレベルだよな。

「てなわけで、陳留に向かう。
 ここから距離は離れているけど、ゆっくり行くか。」

「縁だけ早く行ってもいいけどね。」

優華の毒舌に俺は血の気が一気に引くのを感じる。
この状況で馬に思いっきり引っ張られたら、背中などが大変な事になる。

「え、遠慮しておきます。」

『そうだよ。
 縁様と離れ離れになるのは嫌だ。』

「ちっ、黎に救われたわね。
 その命、次に絶対に奪ってやるわ。」

黎、今ならガチで結婚してもいい。
そう思わざるほど俺は安心している。
胡蝶が仲間に入ったのはいい事だ。
面倒事は主に俺だけにしか降りかかっていないので、不満の声は聞こえない。
俺の不満は爆発しそうなくらい、溜まっているけど。

「縁さん、大丈夫ですか?」

「美奈、君だけが俺の心のオアシスだよ。」

「おあしす?」

「つまり、君は俺の癒しって意味だ。」

「えへへへ、縁さんの役に立てて良かった。」

やべぇ、ロリコンに目覚めそうなくらい美奈が可愛い。
大人になったらさぞ美人に。
その時、ブォン!!と俺の頬の数センチ隣に斧が降ってきた。

「ッッッ!?!?!?」

「おっと、手が滑ってしまったようです。」

わ、わざとだ。
今のは絶対にわざとに違いない!
豪鬼は笑みを浮かべていたが、眼が笑っていなかった。
陳留に着く前に、俺は死ぬかもしれない。





「はぁ・・・・」

とある街で一人の女性がため息を吐いていた。
彼女の名前は関羽、真名
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