すれ違う兄妹
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とりあえず、胡蝶から離れようと思った時だった。
後ろからゴソゴソ、と音が聞こえた。
振り返ると、美奈を除く全員が起きていてこちらを見ていた。
主に俺に対して、殺意の籠った視線でだ。
黎に関しては、眼を大きく見開いており、すぐさま自分の服を脱ごうとする。
「変に対抗意識持たなくてもいいから!!」
寸での所で俺は黎が服を脱ぐのを止める。
「それで縁殿。
貴方は今何をしようとしていたのですか?」
今までにない鋭い眼つきをしながら、星は問いかける。
「何をって。
俺はただ毛布に潜入してきた、胡蝶から離れようと。」
「その状況からして襲っているように見えないんだけど。」
月火言われて、今の光景を客観的に見る。
うん、俺が馬乗りになっている状態なので、どこからどう見ても俺が悪く見える。
あれ?これって逃げ道なくねぇ?
「やっぱり黎を胡蝶のように襲うつもりだったのね。
ここで殺しておくべきだわ。」
双戟を構えて優華は言う。
それに続いて星と月火も得物を構える。
これってデジャブ?
どうやら俺はここまでの様だ。
さらば、愛紗。
兄ちゃんは先に逝っているぞ。
「うふふ。」
衣服を着ながら、縁がボコボコにされているを見ながら胡蝶は笑う。
「縁って、色々と不遇だよな。」
隣で朝食の準備をしている豪鬼に話しかける。
「まぁ、胡蝶が加わっていい玩具にされているのは間違いないな。
上手いように、他の奴も巻き込まれている。」
「狙ってやっているから、巻き込まれてくれないと困るわ。」
「ほんと、胡蝶を怒らしたら駄目だな。」
「一刀殿に深く同意する。」
三人が気が済むまで縁はボコボコにされたのは言うまでもない。
「そろそろ腰を落ち着かせたいと思っているんだ。」
荒野を歩きながら、俺はこれからの事を話す。
俺だけは歩いていないのだが。
朝での騒動だけでは気が済まなかった三人、特に優華はいつ買っておいたのか、鞄から縄を取り出して俺を縛り付けた。
その縄を馬に縛り付けて、俺は地面に引きずられながら話している。
「それってどこかに仕官するってこと?」
少し俺に気にかけながら、一刀は話す。
助けたいと思っているのだが、助ければ俺のように被害を受けるのは確定的に明らか。
「客将として仕えて、実績を積んで、独立を考えている。
天の御使いとしての知名度は充分にあるからな。」
非常に真面な事を言っているのに、引きずられながら言うと威厳というものが全くない。
「宛てはあるのですか?」
「陳留で刺氏をしている曹操。
彼女なら俺達を雇ってくれるはずだ。」
「曹操、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ