第20話
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姉貴は”イーリュン”の信者連中と違って治癒の魔術は専門ではないから、オフクロの病気を治せず、病気による痛みを抑えて少しの間だけ生き長らえさせるのが限界であった事に俺やオフクロに謝罪したが……オフクロもそうだが俺も姉貴には感謝していたから、無用な謝罪だって言ったがな。オフクロを生き長らえさせてくれた件もあるが、病気になったオフクロが最後の時を迎えるまで俺と共に過ごせたのは姉貴による治療と稼ぎのお陰だったからな。」
ヴァンの質問に頷いたアーロンはある人物――――――マルティーナの事を思い浮かべて苦笑した。
「なるほどな……その件もあるから、お前さんは今でも毎年欠かさず誕生日プレゼントを贈る程義理の姉の事を大切にしているのか。」
「ったくハルの奴、そんなことまで喋ったのかよ。――――――話を戻すがオフクロ込みで良くしてくれてた爺さんがいつしか俺と姉貴を煙たがるようにはなったが……」
「ふむ……」
「―――――とにかく、街の連中と姉貴のために俺は俺のやることをやるだけだ。ただし誰も俺を束縛できねえ。やりたいようにやらせてもらうがな。」
「へっ、そうかよ。」
「つうか何をペラペラと……いいから早く本題の話をしろや。」
「ああ――――――」
その後ヴァンはジャックやハルの協力を得て、アーロンと共に玄人イカサマ師コンビ相手にギャンブルで勝利し、勝利後逃亡した玄人イカサマ師達を戦闘で制圧し、黒月に引き渡した後東方人街への帰り道を歩いていた。
〜新市街〜
「ふう、少し手こずったが何とか片付いた良かったぜ。――――――お前、このあたりで深夜でやってる公衆浴場とか知らねえか?サウナとかありゃ最高なんだが。」
「あー、東方人街の2番街だったらワン爺さんの銭湯があるが……クク、あの程度の切った張ったでまさか疲れちまったとか言わねーよな?夜はまだまだこれから――――――むしろ3日連続オールくらい普通だろ。」
「あのな……まだ10代のガキと一緒にすんじゃねえよ。」
アーロンの指摘に対してヴァンは呆れた表情で答えた。
「おっと、そいつは失礼。そんじゃあ療法院の按摩あたりを代わりに勧めとくぜ。ああ、アンタくらいの年齢は筋肉通は数日後に来るんだったか?」
「そこまで歳食ってねえよ!!」
からかいの表情を浮かべて指摘してきたアーロンに対してヴァンは顔に青筋を立てて反論した。
「ったくクソ生意気なガキだな。……ま、さっきの手際は中々だったが。義理の姉とは違って定職には就いてねえみたいだがやっぱいずれは黒月入りすんのか?」
「……………………」
「……?どうした。」
将来について訊ねたヴァンだったが何も答えなかったアーロンが気になり、再び訊ねた。
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