第20話
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しょうね……でも白蘭竜方面も”切り札”本人の方が応じるかどうか。”名前”は捨てていないみたいだけど、4年前の”碧の大樹”の件以降は”表の活動”に積極的になっている反面、”裏の活動”からは完全に手を退いたみたいだし。」
「ってお前も知ってのかよ。」
「貴方こそ、ね。」
「その様子だと、”北”の生き残りの連中もそうだが、例の”合同捜査隊”もこの煌都で活動している事も知っているんだろう?連中との共闘は……お前の立場だと無理か。」
「残念ながらそうね。”合同捜査隊”の人達だけだったら共闘関係もできたでしょうけど、幾ら故郷の独立の為とはいえメンフィル帝国と猟兵契約を交わした”北”の生き残りである彼らとの共闘は、ギルドとしての立場では難しいでしょうし……彼らも今の所はそのつもりもないみたいだもの。」
(………お二人とも同じくらい各方面に通じているみたいですね……)
ヴァンとエレインの会話の様子をアニエスは静かに見守っていた。
「アニエスさん、食べないんですかっ?」
「い、いえっ。美味しく頂いてますよっ?その……先程の件もそうですけどエレインさんが来てくれて心強いですよね!私達がというより、このラングポートの平穏のためにも。」
フェリに声をかけられたアニエスは慌てて答えた後話を変えてエレインに視線を向けた。
「ふふ、ありがとう。――――――でもちょっと買いかぶりすぎかしら。この街は黒月が治める地……南カルバード総督府もそれを半ば黙認している。無論、民間人の安全のためなら無理も通すわ。でも東方人街の人達は”黒月”の味方だしね。ここでの私達は、抑止力でしかないのよ。その点を考えたら、”エースキラー”の人達の方が頼りになると思うわ。彼らは黒月ですらもある程度の配慮をしなければならない立場である事もそうだけど、戦力という意味でも彼らの方が煌都のギルドよりも優れているわ。例え、その中に私を含めたとしても、ね。」
「エレインさん……」
「にも関わらず旧首都総支部のエースであるお前がここまで出張ってきた――――――やはり”アルマータ”相手だからか。」
複雑そうな表情で答えたエレインの様子をアニエスが心配そうな表情で見守っている中、ヴァンはエレインの目的を確認した。
「ええ――――――その通りよ。本来、民間人の安全が脅かされない限り、ギルドは裏勢力方面同士の争いには干渉しない。例外も多いけど、各勢力もその一線を越えないように暗闘する事が多いの。」
「はい……戦士団もそこは気を付けているみたいです。」
エレインの話にフェリは真剣な表情で頷いて答えた。
「ふふ、そう……貴女のような女の子に言われるのはちょっと複雑だけど。――――――話を戻すけど、その一線を平気で踏みにじる組織が数年
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