第20話
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〜新市街・東方料理屋”蓬来苑”〜
「うわぁ〜、キレイです!」
「”煌都”ラングポート、その名に相応しい光景ですね……!」
「ま、この街の醍醐味の一つだな。」
「そうね……」
自分達がいる席から見える煌都の光景にはしゃいでいるフェリとアニエスに答えたヴァンの言葉にエレインは同意した。
「それではオークレール様、ごゆっくりお愉しみください。」
「随分と賓客待遇じゃねぇか、料理長が挨拶に来たくらいだし。」
料理長がエレインに挨拶をして去っていくとヴァンは興味ありげな表情でエレインに指摘した。
「まあ、ね。以前この店のトラブルを解決した事があってそれ以来恩義を感じてくれているみたい。黒月とも距離を置いているらしいから私としても助かっているわ。」
「なるほどねぇ。さすが売れっ子は違うな。」
「黒月に距離を……そういうお店もあるんですね?」
エレインの話を聞いたヴァンが苦笑している中アニエスは目を丸くして訊ねた。
「ええ、煌都は黒月系以外の資本も多いし、商談に使いやすい店でもあるみたい。料理の系統も煌都とはちょっと違って”龍來’(ロンライ)”の流れを汲むそうね。」
「なるほど……東方系と言っても色々あるとは聞いていましたが。」
「えと……ところで。」
エレインの話にアニエスが相槌を売っていると目の前にある料理に興味津々の様子のフェリはヴァンに視線を向け
「とりあえず始めるか。」
フェリの要求を察したヴァンは食事を始める事を告げた。
「ええ、折角だし冷めないうちに頂きましょう。」
「ふふっ、そうですね。」
「えへへ、いただきます……!」
そしてヴァン達は食事を始めた。
「モグモグ……ん〜〜っ……!」
「あはは……確かに本当に美味しいですね。」
美味しそうに食べているフェリの様子をアニエスは微笑ましそうに見つめながら呟いた。
「ああ、龍來の名店の直弟子あたりがやってそうだな。こんな豪華な夕食にありつけるとは”剣の乙女”サマ万々歳だぜ。」
「ふう……それは止めてちょうだい。それに”依頼主”に要求したら同じくらいの名店に招待してくれるんじゃないかしら?”九龍ホテル”に入っているレストランも絶品という評判みたいだし。」
ヴァンのからかいに対して溜息を吐いて答えたエレインはヴァンに皮肉を交えた反撃の指摘をした。
「……ったく、もう知ってんのかよ。」
「ギルドに依頼する人達でもないし、貴方が適任ということは理解しているわ。感心はしないけれど。」
「ま、こっちも”つなぎ”のようなもんだろ。チョウが戻ってくるまで事態をこれ以上悪化させないための保険ってくらいか。」
「で
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