第七百四十三話 十支族の謎その六
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「私達もね」
「ご先祖様とは変わったのね」
「ええ、まあ一滴位はね」
ウェンディに対して答えた。
「入ってるわよ」
「それ言ったら誰でもどんな古代民族の血もね」
「入ってるわね」
「そうよね」
「始皇帝だって」
アンは中国で最初に皇帝になったことで名高いこの人物の話をした、その政策もまたよく知られている。
「目が青くて赤毛だったらしいし」
「白人よね、それって」
「そうそう、アジア系の血が入っていても」
「白人の血も入っていたのね」
「そうだしね」
中国即ち漢民族を代表する人物の一人だがというのだ。
「お鼻高かったらしいし」
「それも白人よね」
「鷲鼻だったみたいよ」
史記では蜂の様と表現されている。
「目は切れ長で」
「その目はアジア系ね」
「だからあの人も混血してたのよ」
「そうなのね」
「何でも秦って元々西にあって」
当時の中国で最も西にある国だった。
「漢民族以外の人もいて」
「混血していて」
「あの人結構今も出生言われてるけれど」
これも史記からだ、実は呂不韋が父親ではと言われているのだ。ただこの説はこの時代では支配的ではない。
「混血していたことはね」
「事実だね」
「そうね」
「けれどその混血がね」
アンは腕を組み口をへの字にさせて述べた。
「イスラエルでは今はね」
「ないんだね」
「本国では」
「入る人も出る人もいないから」
そうした国だからだというのだ。
「コミュニティとしての団結心凄いし」
「ユダヤ教のそれだね」
「コミュニティって」
「ほら、チーズバーガーも親子丼も豚肉も食べられないのよ」
アンは二人にユダヤ教の戒律から来る食事への制限の話をした。
「他にも何かとね」
「決まりがあるね」
「ユダヤ教って」
「アンも守ってるしね」
「意識して」
「こうしたことって他の国だとね」
イスラエル以外のというのだ。
「周り皆他の宗教の人でしょ」
「そうだね」
「どうしてもそうなるわね」
「少ないからね」
ユダヤ教徒はというのだ。
「だからね」
「それでだね」
「戒律守ることに一苦労だね」
「けれどイスラエルにいて」
そのユダヤ教を国教にしているイスラエル人の国にというのだ、アンはその祖国のことを思いつつ話した。
「暮らしていたらね」
「周り皆イスラエル市民で」
「ユダヤ教徒だから」
「何かと楽だね」
「暮らすには」
「だからね」
それ故にというのだ。
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