第六十二話 緑の迷宮その一
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第六十二話 緑の迷宮
ジャングル、アフリカのそれを思わせる迷宮の中でだった。メルヴィルは険しい顔でこんなことを言った。
「虫多いな」
「ここジャングルやからね」
アレンカールも嫌そうに述べた。
「そやからね」
「虫多いな」
「迷宮でもジャングルやとね」
「必然的に虫多いな」
「そう、それでね」
「虫への対策もやな」
「しとかへんと」
そうでなければというのだ。
「厄介よ」
「それな、蠅や蚊もな」
メルヴィルはそうした虫達の話をした。
「刺されたりしたらな」
「後が厄介よ」
「熱病になったりするな」
「最悪卵を産み付けられて」
そうなってというのだ。
「気色悪いことになるわよ」
「それな」
メルヴィルはこれまで以上に嫌そうな顔になって応えた。
「ほんまあるさかいな」
「ジャングルだとね」
「アマゾンでもやな」
「中南米のウマバエってね」
この蠅の話もするのだった。
「ほんまね」
「あんな気色悪いもんないわ」
羅が忌々し気に言ってきた。
「思い出したくもないわ」
「寄生された画像観たのね」
「観たから言うんや」
まさにというのだ。
「ほんまな」
「それでよね」
「そや、ほんまな」
それこそというのだ。
「あんなや」
「気色悪いもんはないわね」
「自分もそう思うやろ」
「背中に寄生したりお口の中にもね」
「そうなった画像観たらな」
羅はさらに言った。
「ほんまな」
「最悪よね」
「もう蓮画像並にや」
羅はかつて日本のネット界を席巻したおぞましいコラ画像の話をした、人は時としてそうしたものを生み出し拡散させたりするのだ。
「不快や」
「観てね」
「ああ」
実際にというのだ。
「ほんまな」
「あの蠅は最悪よね」
「あんなもん負ってな」
羅は真顔でこうも言った。
「中南米は大変やな」
「いや、アジアも暑いとこは色々おるわ」
施も言ってきた。
「こっちの世界でもな」
「そやな」
中里がまさにと応えた。
「東南アジアのジャングルとかな」
「蚊も多くてな」
「他の虫もな」
「けれどそうしたや」
施はさらに言った。
「寄生虫を産み付けるみたいな」
「気色悪いのはおらんな」
「こっちの世界でもな」
「それは幸いやな」
「ほんまな」
その暑いシンガポール出身のリーも言った。
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