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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第2章】第一次調査隊の帰還と水面下の駆け引き。
 【第5節】敵をあざむくには、まず味方から。
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 提督が向かいの席に着いてから、双子も改めて着席しました。

 はやて「(手を合わせて)いただきます、と。……あれ? どないしたんや? 二人とも、そんな驚いたような顔して」
 ツバサ「いえ。その……将軍というのは、もっと、こう……」
 カナタ「VIPルームに()まって、食事ももっと豪勢なヤツを部屋まで持って来させるとか……そういう感じなんだろうと思ってました」
 はやて「私は、そんな無駄な贅沢(ぜいたく)、せぇへんよ。まあ、確かに、偉くなるとそういうコトをしたがる人も中にはおるみたいやけどな。……ああ。それはそうと、二人とも。今さっき、ヴィータには会わんかったか?」
 カナタ「?」
 ツバサ「いえ。今朝はまだ……」

 すると、ちょうどそこへ、ヴィータが、自分のトレイを手にやって来ます。

 ヴィータ「なんだ。二人とも部屋にいねえと思ったら、やっぱりもうメシにしてやがったのか。せっかく、あたしが起こしに行ってやったのに」
 カナタ「それは……申し訳ありませんでした」
 ツバサ「御足労をおかけして、恐縮です」
 ヴィータ「構わねえよ。はやてがお前らにも早目に話をしておきたいと言うから、呼びに行っただけだ」

 ヴィータは笑ってそう言うと、当然のごとく「はやての隣の席」に着き、取り急ぎ自分の朝食を食べ始めました。

 カナタ「えっと……。その、お話、というのは?」
 はやて「そうそう。急な話なんやけど、実は出航の予定時間がちょぉ早まってな。11時には出航してまうから、10時半には艦内で簡単な挨拶や説明を始めるとして……また、10時すぎにはアギトをそちらの部屋まで迎えに行かせるよ。そやから、二人とも、10時までにはまた手荷物とか、まとめといてな」
 カナタ「了解しました!」
 ツバサ「……ところで、提督。少し先走ったことを訊くようで申し訳ありませんが、現地に到着するのは、いつ頃の予定なのでしょうか?」
 はやて「う〜ん。ローゼンはちょぉ遠いからなあ。しかも、今回は、あんまり足の速い艦が()いとらんかったんよ」
 カナタ「例の、艦船不足、ってヤツですか?」
 はやて「うん。それで、結局は、出来たばかりの実験艦で行くことになったんやけどな。あの艦も速度は普通やから、艦内で3泊してもらうことになるわ。まあ、正味81時間ぐらいになると思うんやけどなあ」
 ツバサ「ということは……ベルカからローゼンまでは、ここからベルカまでのほぼ二倍の距離、ということでしょうか?」
 はやて「そうやな。27時間と54時間やから、ちょうどそれぐらいや。ところで、二人とも、地球とミッドとカルナージ以外の世界は初めてやったかな?」
 ツバサ「はい」

 カナタ「て言うか、ボクら、〈本局〉も無限書庫以外の場所に来たのは、今回
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