【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第2章】第一次調査隊の帰還と水面下の駆け引き。
【第4節】ヴィヴィオの気持ちと双子の決断。
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を指名し、各部隊長には彼等の出向を要請します。
そして、当人たちからの指名受託も各部隊長からの出向許可も、また一両日中にすべて出揃いました。いずれも八神提督が見込んだ人材だけあって、指名を辞退するような者は一人もいません。
最後の問題は、同行する執務官ですが……八神准将は、ちょうど数日前からミッドの実家に戻って休暇を取っていたヴィクトーリア・ダールグリュン執務官(33歳)を指名しました。
なお、ヴィクトーリア(陸戦だけならば、Sランク)の補佐を務めるエドガー(35歳)とコニィ(29歳)もすでに陸戦Aランクは取得済みで、武装隊での階級は「陸曹長に相当」ということになっています。
ヴィクトーリア執務官は即日、三人一組での指名を受託し、翌4日には早くもエドガーやコニィとともに〈本局〉へ向かったのでした。
一方、ヴィヴィオ(26歳)の子供は、母親のお腹を蹴ることも少なく、一部では『今ひとつ元気の無い子供だ』と心配されたりもしていたのですが……ヴィヴィオ自身は自分や子供のことよりも、むしろローゼンに独り置き去りにされたアインハルトのことの方が心配で、心配でたまりませんでした。
4月26日の晩に、例の話を聞いて以来、ヴィヴィオは日課だった棒術の練習も休んで、もうずっと沈んだ表情を続けています。
カナタもツバサもイクスヴェリアの分身も、セインもファラミィもユミナもヴァスラも、何とかして彼女の気持ちを和ませようと努力はしたのですが、やはり、それほど上手くは行きませんでした。
そして、新暦95年5月6日の正午すぎのことです。
ヴィヴィオは、ふと書斎の通信設備から特別回線を使って〈無限書庫〉の方へ連絡を入れた拍子に、ユーノ司書長から『一般にはまだ内緒の話だけど、第二次調査隊は早ければ明日の夕刻にも出航する予定らしいよ』と聞かされました。
そこで、彼女はユーノ司書長との通話を手短に終えると、発作的に今度は大急ぎで八神提督へのプライベート回線を開きました。
提督が〈本局〉にいる時には随分と待たされることが多いのですが、今回は意外にも一発でつながります。実は今、提督はたまたま、私物を取りに(?)ミッド地上の自宅に帰って来ていたのでした。
そこで、ヴィヴィオは懸命に訴えます。
「無理を承知でお願いします! 私も一緒に連れて行ってはもらえませんか?」
しかし、これには、さしものはやても困った表情を見せました。
「いや……気持ちは解るんやけどな、ヴィヴィオ。管理局の規定としても、さすがに『臨月を迎えた妊婦』を、多少なりとも危険性のある場所へ連れて行く訳にはいかんのや」
【というのは、ヴィヴィオを納得させるための「表向きの理由」で、実際には、カリム総長の側に、ヴィヴィオを教会本部に留めておきたい「本
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