【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第2章】第一次調査隊の帰還と水面下の駆け引き。
【第4節】ヴィヴィオの気持ちと双子の決断。
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各世界の地上本部)の対立」の方は、多少ながらも緩和されつつあるのですが、いざ、〈本局〉内部の問題となると、まだまだ守旧派の抵抗は根強く、改革も全く思うようには進んでいません。
また、「守旧派」と「改革派」の対立に関して、〈中央評議会〉は表面的には中立を装っていましたが、評議員の多くは(将軍としての個人的な権益を維持するためにも)裏ではこっそりと守旧派の後押しをしている、といった状況です。
【一方、技術部は同じく中立を装いながらも、裏では改革派の方を支持しています。主に、予算の配分に対する考え方の違いという「大人の事情」によって。(笑)】
また、〈中央評議会〉は書面の上では「具体的な計画と人事のすべて」を八神准将に一任したのですが、実際には、彼女の御座艦〈ヴォルフラム〉は先月の下旬からずっと改修中で、まだ当分は身動きが取れません。
これは、普通ならば、『提督として誰か特定の艦長を指名し、その艦と乗組員をそのまま使う』という形式を取らざるを得ない状況です。
(当然ながら、そうなると、あまり自由な人選はできません。)
しかも、管理局の次元航行部隊では、新暦91年に「第一支局」を開設して艦隊の一部を南方に移した結果、今も〈本局〉では慢性的に艦船がやや不足しており、今すぐ自由に動ける何隻かの艦はすべて、艦長も乗組員も守旧派の艦ばかりでした。
〈中央評議会〉はそれを知っていて、あえて八神提督を指名したのです。
(八神提督のもう一隻の艦〈グラーネ〉も、今は別の重要任務に就いているので、今回の任務には使えません。……まあ、それでなくても、あちらは元々が小型艦なので、人員の搬送には全く適していないのですが。)
【なお、第一支局に関しては、また第二部で詳しく述べます。】
つまり……これは、表面的には『第一次調査隊の司令は守旧派だったから、今度の司令は改革派から』という至極単純なバランス重視の人事のようにも見えますが、実際には、〈中央評議会〉は「第二次調査隊もまた失敗すること」を前提として、『司令が再び守旧派となった第三次調査隊に花を持たせる』といった筋書きを想定しているのです。
(もし第二次調査隊が成功したら、その時には、艦長らの功績の方を過大に評価すれば良いのです。)
おそらくは、『その失敗で「改革派の筆頭」である八神准将のイメージダウンをも計れるのなら、それこそ一石二鳥だろう』とか、『彼女がもう一度、6年前の〈バルギオラ事変〉の時のような無茶をやらかしてくれれば、今度こそ彼女を合法的に処罰することができる』などといった考え方なのでしょう。
【実は、もうひとつ「裏」というか、「さらに悪辣な思惑」もあったのですが……その話もまた「第三部」でやります。】
そこで、八神准将は、技術部が新たに建造し
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