暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第2章】第一次調査隊の帰還と水面下の駆け引き。
 【第3節】メグミの不安とゲンヤの懸念。
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、その時はどこかから養子を取ればいいさ。俺は、君さえいてくれれば他には何も()らないから』
 クイントは自分の体の不具合を気に()んで結婚に踏み切れずにいたのですが、ゲンヤは、そんな彼女にそう言って求婚(プロポーズ)したのでした。
【新暦75年に、はやてから訊かれた時には、さすがにそんな恥ずかしい話まではできなかったのですが。(笑)】

 ふと気がつくと、ゲンヤの腕の中で、マユミはまたいつの間にか眠ってしまっていました。ゲンヤの眠気(ねむけ)が移ったのでしょうか。
 可愛い孫娘の寝顔を見ていると、ただそれだけで、ゲンヤは不思議なほど幸せな気分になれました。
「メグミ、ありがとうな。この家に来てくれて」
 ゲンヤが真顔で言うと、メグミは照れくさそうな笑顔でこう返します。
「いきなり、何ですか? それは、私のセリフですよ。もし、あの時、この家に引き取ってもらえていなかったら、自分は今頃、どうなっていただろうかと考えると、正直、ぞっとします。本当に、ありがとうございました」

「いや、なに。実を言うと、俺もあの時は、姉貴に泣き付かれちまって、何も考えずにただ動いただけだったんだがよ」
「でも、損得勘定を一切せずに『ただ動く』ことができるのって、実はスゴいことなんだと思いますよ」
 メグミが真顔で言うと、今度はゲンヤが少し照れくさそうな笑顔を浮かべました。
「そうかい? まあ……何と言うか、子供を引き取ること自体には、もう慣れちまってたからなあ。最初にクイントがギンガとスバルを引き取って来た時には、俺も初めてのコトで随分と戸惑ったが……一度慣れてしまえば、あとはもう二人が六人に増えようが、七人に増えようが、八人に増えようが、大した違いはねえよ」
「いや〜。二人と六人の間には、随分と違いがあるように思うんですけど」
 そう言ってメグミが笑うと、ゲンヤも釣られて、また笑ってしまいます。
 しかし、一拍おいて、ふとメグミの表情が曇ったのを、ゲンヤは見逃しませんでした。
「どうした? 何か心配事か?」
 と言いつつ、ゲンヤにもすでに大方の見当はついています。

 そして、メグミはおおよそゲンヤの予想どおりのことを答えました。
「ええ。姉さんたち、六人ともみんな無事なんでしょうか? こんなにも長い間、連絡が無いのは初めてのことですから、私、ちょっと不安なんです。……そう言えば、昨日の局の公式発表でも、『次の調査隊では戦闘行為もあり得る』みたいな、何だか物騒なこと言ってましたけど、まさか、姉さんたちはあの一件には関わってませんよね?」
「ああ。それなら安心しろ、メグミ。あの件は、〈本局〉の次元航行部隊の管轄だ。捜査官や陸士なんぞは最初(はな)からお呼びじゃねえよ。……そもそも、ギンガとチンクが出かけたのは、あの一件が始まる前の
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