【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第2章】第一次調査隊の帰還と水面下の駆け引き。
【第3節】メグミの不安とゲンヤの懸念。
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、その時はどこかから養子を取ればいいさ。俺は、君さえいてくれれば他には何も要らないから』
クイントは自分の体の不具合を気に病んで結婚に踏み切れずにいたのですが、ゲンヤは、そんな彼女にそう言って求婚したのでした。
【新暦75年に、はやてから訊かれた時には、さすがにそんな恥ずかしい話まではできなかったのですが。(笑)】
ふと気がつくと、ゲンヤの腕の中で、マユミはまたいつの間にか眠ってしまっていました。ゲンヤの眠気が移ったのでしょうか。
可愛い孫娘の寝顔を見ていると、ただそれだけで、ゲンヤは不思議なほど幸せな気分になれました。
「メグミ、ありがとうな。この家に来てくれて」
ゲンヤが真顔で言うと、メグミは照れくさそうな笑顔でこう返します。
「いきなり、何ですか? それは、私のセリフですよ。もし、あの時、この家に引き取ってもらえていなかったら、自分は今頃、どうなっていただろうかと考えると、正直、ぞっとします。本当に、ありがとうございました」
「いや、なに。実を言うと、俺もあの時は、姉貴に泣き付かれちまって、何も考えずにただ動いただけだったんだがよ」
「でも、損得勘定を一切せずに『ただ動く』ことができるのって、実はスゴいことなんだと思いますよ」
メグミが真顔で言うと、今度はゲンヤが少し照れくさそうな笑顔を浮かべました。
「そうかい? まあ……何と言うか、子供を引き取ること自体には、もう慣れちまってたからなあ。最初にクイントがギンガとスバルを引き取って来た時には、俺も初めてのコトで随分と戸惑ったが……一度慣れてしまえば、あとはもう二人が六人に増えようが、七人に増えようが、八人に増えようが、大した違いはねえよ」
「いや〜。二人と六人の間には、随分と違いがあるように思うんですけど」
そう言ってメグミが笑うと、ゲンヤも釣られて、また笑ってしまいます。
しかし、一拍おいて、ふとメグミの表情が曇ったのを、ゲンヤは見逃しませんでした。
「どうした? 何か心配事か?」
と言いつつ、ゲンヤにもすでに大方の見当はついています。
そして、メグミはおおよそゲンヤの予想どおりのことを答えました。
「ええ。姉さんたち、六人ともみんな無事なんでしょうか? こんなにも長い間、連絡が無いのは初めてのことですから、私、ちょっと不安なんです。……そう言えば、昨日の局の公式発表でも、『次の調査隊では戦闘行為もあり得る』みたいな、何だか物騒なこと言ってましたけど、まさか、姉さんたちはあの一件には関わってませんよね?」
「ああ。それなら安心しろ、メグミ。あの件は、〈本局〉の次元航行部隊の管轄だ。捜査官や陸士なんぞは最初からお呼びじゃねえよ。……そもそも、ギンガとチンクが出かけたのは、あの一件が始まる前の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ