【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第2章】第一次調査隊の帰還と水面下の駆け引き。
【第2節】ナカジマ家、トーマとメグミの物語。
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を薄めて造った劇薬」でなければ治せない病気もあるのです。
もちろん、劇薬である以上は、処方を正しく守って副作用が出ないように細心の注意を払う必要があるのですが、その点に関しては、父親と六人の姉たちが上手に取り計らってくれました。
その結果、メグミも中等科を卒業する頃には、もうあまり「小児じみた甘え方」はしなくなりました。「現実に小児だった頃」の不足分が、もう充分すぎるほどに補われたからです。
そして、新暦85年の4月。
メグミ(15歳)が最寄りの(ナカジマ家からは徒歩でも楽に通える距離にある)普通科学校の高等科に進学すると、トーマ(19歳)はようやく運転手の役を辞めて、就職活動を始めました。
5月の末には、ノーヴェがプレジャーランドでの無差別テロ事件に巻き込まれて「瀕死の重傷」を負い、一時的に『就職活動どころではない』という状況に陥ってしまいましたが、それから一か月もすると、ノーヴェは無事に生体ポッドから出て、病院でリハビリを始めました。
トーマが病院へ見舞いに行っても、ノーヴェからは逆に、『お前は、私の心配なんかしてる暇があったら、もう少しマジメに自分の将来の心配をしろ』などと説教をされてしまいます。
言われてみれば、確かにそのとおりでした。トーマは今も「リンカーコアが回復するのは、まだ何年も先の話」という状況で、当分は「魔法を全く使えない普通の人間」として生きてゆかねばならない身の上なのです。
だから、もちろん、管理局に入ったとしても、もう「特務六課」の頃のような特別な職務に就くことはできません。
『いっそ、全く別の職業に』とも考えましたが、結局のところ、ゲンヤの紹介もあって、トーマはその年(85年)の10月から最寄りの陸士隊の事務員に採用されました。デスクワークばかりの地味な仕事ですが、それでも、月々の定収入があるのは良いことです。
今にして思えば、トーマもメグミも、この頃にはもう「気持ち」は決まっていたのでしょう。それから一年半ほど経って、トーマもようやく仕事に慣れて来た頃には、メグミも二年制の高等科を卒業して、新暦87年に二人はそのまま結婚しました。式場の都合などもあって、挙式は7月までズレ込んでしまいましたが、それ以外には何の問題も無い円満な結婚です。
結婚式には、なのはを始めとする元特務六課の面々も、「ドナリムでの一件」を片付けてから、アインハルトやヴィヴィオたちとともに駆けつけてくれました。
【単なる字数の都合ですが、ここで一旦、切ります。】
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