【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第2章】第一次調査隊の帰還と水面下の駆け引き。
【第1節】アインハルト執務官、帰還せず。
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の代わりに、アインハルトは多勢に無勢で一人だけ王国軍に捕らわれてしまいます。
(どうやら、王国軍は周到に準備をして、アインハルトがまた単騎で出て来るのを待ち構えていたようです。)
「私は大丈夫です! 皆さんは一旦、本局に戻って、増援を呼んで来てください!」
アインハルト執務官に通常回線の通話でそう言われて、第一次調査隊は仕方なく、ギリギリの燃料でまずはベルカ世界へと戻って来たのでした。
(なお、その次元航行艦がベルカ世界で物理燃料を補給し、他の船に随行されてようやく〈本局〉にまで戻って来られたのは、それからさらに二日後の4月25日のことでした。)
当初、管理局の〈上層部〉は、第一次調査隊が帰還したという事実それ自体を、まだ当分は秘密にするつもりでいたのですが……どうやら、半月前にルートメイカー調査隊に加わった某新人研究員から、『ベルカなう。何だか新航路から船が出て来たっぽい』といった「ごく曖昧な情報」が、ミッドの側に漏れてしまったようです。
ミッドの有力メディアは即座にこの「怪情報」に飛びつき、即日、管理局に対して一斉に情報の開示を「懇願」し始めました。
(管理世界のメディアは一般に、管理局に対して情報開示を「法的に請求」できるような立場には無いのです。)
元を正せば、この件に関して「わざと多めに情報を流して」メディアを煽っていたのは管理局の側なのですから、いくら『あの時点では、人々の目を「もう一つの大事件」から逸らすためには、ああするより仕方が無かったのだ』とは言っても、この状況それ自体はもう自業自得としか言いようがありません。
管理局の〈上層部〉は『ここで黙っていると、かえって管理局の不利益になるかも知れない』と考え、26日の昼過ぎに、外見的には平静を装いながらも内心では大慌てで、主要なメディアに対して以下のような内容の「公式発表」を行ないました。
『昨日、第一次調査隊は「予定どおりに」基礎調査だけを終えて、〈本局〉に帰還した。そこで、今回の調査結果を踏まえて、後日、また第二次調査隊を派遣する予定だが、次回は「若干の」戦闘行為も想定されるため、調査隊員の人選には、まだしばらくは時間がかかるだろう』
もちろん、『新航路が長らく航行不能となり、調査隊との連絡もずっと途絶していた』という件だけでなく、『アインハルト執務官が、今は独り現地に置き去りにされている』という件についても、全く触れてはいません。
〈中央評議会〉が、その二つの件に関しては『一般には「絶対の秘密」にする』と、早々に決定してしまったからです。
ただし、八神准将は〈中央評議会〉の方からそうした通達を受けると、熟考の末、なのはとフェイトを始めとする「アインハルトの関係者たち」に対しては、やはり、自分の責任でこの事実を
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