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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第2章】第一次調査隊の帰還と水面下の駆け引き。
 【第1節】アインハルト執務官、帰還せず。
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今も当時のベルカを模範として、意識的に「まだ相対的に平和だった頃のベルカ世界」とよく似た感じの世界を形成しています。
 また、ローゼンはもう長らく「完全に孤立」した世界だったらしいのですが……どうやら、今から800年ちかく前、ベルカ世界が本格的な「戦乱の時代」に入った直後に、ローゼンに接続する〈次元航路〉は「すべて」閉ざされてしまったようです。
 調査隊が調べた限りでは、今回の新たな航路を除けば、ローゼン世界に接続している次元航路は今のところまだ一本もありませんでした。

 ローゼンでは、その後の古代ベルカのような「世界規模の戦乱」は一度も起きていませんでしたが、それでも、アウグスタ王家はつい最近になって何か「重大な問題」を(かか)え込んでしまったようで、今では王都ティレニアの周辺も少し緊張した雰囲気です。
 そのため、アウグスタ王国軍の魔導師たちは、『不審者を見つけたら、まず結界を張り、取りあえず数人がかりで殴り倒してから尋問する』というのが「普通」になってしまっていました。
(これは、ローゼン世界でも、本来は「違法」な行為のはずなのですが……どうやら、今は何らかの「非常事態」であるものと考えられているようです。)
 そして、現地調査に赴いたミッドの魔導師たちも、王国軍の魔導師らに発見されると、例外なく不審者としてタコ殴りにされていました。みな、その(たび)に『アインハルト執務官に助けられて、何とか逃げて来た』といった状況です。
(さすがは、元IMCSの「次元世界チャンピオン」です。アインハルトだけは、アウグスタ王国の格闘系魔導師たち数人を一度に相手にしても、全く危なげがありません。)


 また、新航路内の空間がようやく安定して来た頃には、第一次調査隊の次元航行艦はすでに物理燃料の残量がギリギリになっていました。先の事故で燃料庫も幾つか破損していた上に、ローゼンの技術力では物理燃料の精製など全くできなかったからです。
 艦の修理にも予想外に多くのエネルギーを使ってしまっていました。さらには、ベルカからローゼンまでの「距離」も、当初の予想をはるかに超えるものです。
 これ以上、この世界に長居をすれば、たとえ帰途に着いたとしても、燃料不足および魔力不足でベルカ世界にまでは辿り着けなくなる恐れがありました。無論、通信のひとつもせずに、ただ呆然と「いつ来るか解らない救援」を待ち続ける訳にもいきません。

 そんな訳で、第一次調査隊の司令官(艦長、三佐)は艦の修理が済むなり、予定を繰り上げて、急ぎベルカ世界へ帰還することを決断し、速やかにその準備を整えたのですが……最後の上陸部隊を次元航行艦に撤収させようとした時、彼等は運悪く、いつになく大勢の王国軍に取り囲まれてしまいました。
 執務官がまた単騎で出撃して彼等を解放しますが、そ
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