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夢幻水滸伝
第三百四十話 もう一つの勢力その十四

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「そやからな」
「出来るだけですね」
「最初にな」
 まさにとだ、トウェインはホイットマンに答えた。
「攻め取りたいけどな」
「奏すれば敵の国力は大きく削がれるので」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「そうしたいけどな」
「敵の勢力圏の最深部であるので」
「こっちが陸から攻めるとな」
「そして陸がですね」
「やっぱり軸になるからな」
 トウェインは頭の中にこの世界のアメリカ西部の地図を出しながら話した、その状況は起きた世界のものと酷似しているが川がかなり多く浮島達も浮かんでいる。
「それでや」
「テキサス州については」
「攻めるのはな」
「最後になりますね」
「どうしてもな、水軍を使っても」
「そして制海権を掌握しても」
「やっぱりな」
 それでもというのだ。
「あの広い州を攻め取るにはな」
「足りませんね」
「実はルイジアナを攻略するにもな」 
 それにもというのだ。
「兵が足りんわ」
「武力で掌握するにはです」
 ルイジアナ州をとだ、ヘミングウェーはフライを食べつつ述べた。
「水軍で攻めますと海兵隊となりますが」
「海兵隊を送るにしてもな」
「一度に送れるのは精々数万です」
「その数万でルイジアナ掌握はな」
「武力だけでは難しいです」
「その通りや」
「そやからですね」
「その際は降る様に言ってくことや」
 州の街や村にというのだ。
「そうすることや」
「それが大事ですね」
「そしてな」
 トウェインはカルパッチョを食べてから話した。
「掌握することや」
「戦略としては」
「そうして攻めるんや」
「ルイジアナ州は」
「他の州もそうやが」  
 それでもというのだった。
「ニューメキシコはオコナー、オクラホマはガーランドのお膝元やからな」
「そう簡単には降りませんね」
「テキサスはデリーロでな」
「そやからですね」
「この三州の街や村は容易には降さん」
「彼等を慕っているので」
「そやからな」
 その為にというのだ。
「比較的降りそうなんは」
「戦をせずに多くの街や村が」
「ルイジアナとアーカンソー位や」
「この二つの州ですね」
「そうなるとな」 
 ここでだ、トウェインは。
 己の言葉を一旦止めた、そしてそのうえでこう言ったのだった。
「主力をミズーリに集結させるで」
「百万の軍のそれを」
「そや、兵力にして五十万か六十万をな」
 それだけの軍勢をとだ、ミッチェルに答えた。
「置いてや、ミシシッピー川の水運も使って」
「アーカンソー州を攻めますか」
「そしてや」
 そのうえでとだ、トウェインは己の言葉を続けた。
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