第二章
[8]前話
「いいわね」
「どうしても行かないと駄目?」
「行かないと縛ってでも連れて行くわよ」
「縛ってって」
「私の親戚皆呼んでね」
「仕方ないな」
「お父さん行かないと」
小学五年生で父親そっくりの息子の栄太郎も言って来た。
「やっぱりね」
「お前もそう言うのか?」
「お父さんいつも辛くても我慢しないといけない時あるって言ってるじゃない」
「それはそうだけれど」
「それじゃあね」
「仕方ないな」
金森はご飯を食べつつがっくりと肩を落とした、そしてだった。
妻に手を掴まれる様にして何度かある場所に行った、すると彼には笑顔が戻った。そこで黒田は彼に尋ねた。
「笑顔が戻ったがどうしたんだい?」
「実は虫歯になっていまして」
金森は黒田に仕事中の休憩時間の時に一緒に喫茶コーナーで紙コップのコーヒーを飲みながら話した。
「それでずっと痛くて」
「それでか」
「笑顔が減っていました」
「そうだったんだな」
「そうでした」
「虫歯は痛いそうだな」
「酷くなると」
こう黒田に話した。
「歯医者も痛いんで行かなかったら」
「余計に酷くなってか」
「奥さんに無理矢理連れて行かれました」
「そうだったか」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
「完治しました」
「そうか、歯医者は行かないとな」
「痛くてもですね」
「余計に酷くなってな」
虫歯がというのだ。
「痛くなるからな」
「わかってますが」
「行きたくないか」
「痛いんで、苦手なんですよ」
「それでもな、だが治って笑顔が戻ってよかった」
黒田は金森のこのことは素直に喜んだ。
「じゃあこれからは歯磨きをな」
「これまで以上に真剣にします」
「そうしていこう」
「はい、是非」
こう話してだった、金森はコーヒーを飲んだ。そのコーヒーはノンシュガーでその分歯によかった。そして歯磨きを真面目にする様になり二度と虫歯にはならなかった。
歯医者は行け 完
2024・3・18
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