第19話
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ニエスの頼みに露天商がたじろいでいる様子をフェリと共に見守っていたヴァンは露天商に説明を始めた。
「詳しくは言えねぇが聞くも涙、語るも涙の事情があってな……俺達も偶然知っちまって前から捜索を手伝ってるんだよ。そっちの子なんか遥か大陸中東から手伝いに駆け付けてくれたくらいだぜ?」
「え。」
ヴァンの嘘の説明にアニエスが呆けた声を出すとヴァンと視線を交わしたフェリが前に出て説明をした。
「はいっ、義を見てせざるはですから!翼の女神のお導きですっ!」
「ちょっとフェリちゃん……」
ヴァンの嘘に便乗している様子のフェリをアニエスは困った表情で見つめ
「見ろ、こんな子供まで他人のために頑張ってるんだぜ?アンタもここらで女神、いや天上聖母の覚えも良くなる功徳を積んじゃあどうだ?」
「………ううっ………」
(よく瞬時に次から次へと嘘の話を考えて口にできますね……もはや呆れを通り越して感心の域ですよ……)
更に嘘の話を拡大化するヴァンの話を聞いてアニエスは罪悪感を抱いたのか思わずヴァンから視線を逸らし、その様子を見守っていたメイヴィスレインはジト目で呟いた。
「ったく、何だか知らねぇがそこまで言うなら教えてやるよ。――――――確かに少し前、その画像とかなり似た装置を扱ってたんだが……嬢ちゃん、悪いことは言わない。スッパリ諦めちまいな。」
「そ、それはどうして……?」
「もう他の人に売ったんですか?」
「なら、どんな奴に売ったか教えてくれ。そいつと直接交渉してみるからよ。」
溜息を吐いた後答えた露天商の話と指摘にアニエスが戸惑っている中、察しがついたフェリは確認し、ヴァンは露天商がゲネシスらしき装置を売った人物の事を訊ねた。
「それだったらまだ良かったんだが……――――――兄ちゃんたち、”メッセルダム商事”って知ってるか?」
露天商が口にしたある会社を聞いたヴァン達は真剣な表情で互いに視線を交わした後ヴァンが話を続けた。
「……いや、聞き覚えはねぇな。北の港町の会社ってことか?」
「もしそう名乗る奴等に出くわしたらとっとと逃げることをお勧めするぜ。――――――実は半月前、嬢ちゃんの探しモンをとある筋からの処分品として並べていたんだ。そしたら、”メッセルダム商事”を名乗るガラの悪い連中の目に留まっちまってさ……他の高額な品も含めて、ミラも払わずに問答無用で奪われちまったんだよ!当然抗議をしたら暴力を振るわれてよ……あの時の傷は今でも治りきってねぇんだ。」
「そんな……」
「ひどいです……!」
「……成程な、この店の品揃えじゃ警察やギルドにも訴えにくいだろうし。”とある筋”への配慮もありそうだな?」
露天商の話
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