第百二十一話 どう違うのかその十
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「だっていつも喧嘩してると気分が悪いでしょ」
「荒むわね」
「いつも敵が必要な人もいるかも知れないけれどね」
「いや、それ特別な人でしょ」
留奈はそれはないと返した。
「流石に」
「けれどいるでしょ」
「そうした人も」
「学校とか寮とか職場とかお家でね」
「常に敵が必要なの」
「やたらと攻撃的、好戦的でね」
そうした気質の持ち主でというのだ。
「それでね」
「いつも敵を攻撃しないと駄目なのね」
「そんな人もいるでしょうけれど」
「あんたは違うっていうのね」
「私は平和であってね」
そうした状況でというのだ。
「穏やかに過ごせたらね」
「いいのね」
「あの、常にテロとか戦争の危険がよ」
留奈にうどんのおつゆをすすってから話した。
「あるって嫌でしょ」
「考えるだけでね」
「そういうのがないってだけでね」
「違うわね」
「イスラエルはずっとそうしたことの危機に晒されているから」
だからだというのだ。
「本当にね」
「そうしたことがないに越したことはなくて」
「平和ならね」
そうであるならというのだ。
「これ以上はないまでによ」
「幸せでそうであって欲しいのね」
「あの、人質返すことは大事でも」
そうであってもというのだ。
「もう相手を徹底的に叩きのめすことは」
「一般市民巻き添えにしてよね」
「おかしいから、何処までやれば気が済むのか」
「相手が滅びるまで?」
「滅ぼしても周りはどう思うのよ」
「他の国々が」
「そんな国を警戒しない筈ないでしょ」
危険な国だと、というのだ。しかも宗教等価値観が違う相手ならばそうした考えに拍車がかかるものだ。
「それこそ」
「もう人質も口実でね」
「実は侵略したくて」
最初からというのだ。
「口実でそれで攻める相手をね」
「徹底的に攻撃して」
「一般市民どころか肝心の人質までね」
助けるべき戦争の口実になった人達ですらというのだ。
「犠牲にしたら」
「もう何ってなるわね」
「それでその侵略は成功しても」
「皆嫌に思うわね」
「敵と思ってよ」
「何かあったら」
「もう即座にね」
それこそというのだ。
「戦争になるわよ」
「そうなるわね」
「そうした風になるって」
「絶対に嫌ね」
「いや、自分の国を守ることは大事でも」
そしてその為の戦争もというのだ。
「けれど無闇なね」
「侵略と虐殺は」
「絶対に嫌よ、平和になるどころか」
「戦争が戦争を呼んでね」
「酷くなっていくから」
そうなる未来が待っているからだというのだ。
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