第二章
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「葉山さん凄いです」
「またお仕事出来ましたね」
「完璧ですよ」
「これはいけます」
「どんどんアイディアが湧きます」
葉山は同僚達にパソコンに向かったうえで話した。
「ですから」
「はい、宜しくお願いします」
「これからも頼みます」
「頑張って下さい」
「そうさせてもらいます」
態度も物腰も変わらなかった、だが。
葉山は明らかに違っていた、驚く位仕事をしていた。その光景を見てだった。緑山は椎名に言ったのだった。
「出来てます」
「うん、性格が最低限のレベルなら」
「それならですか」
「向いている仕事をしてもらったら」
そうすればというのだ。
「出来る様になるよ」
「そういうことですね」
「実は彼女大学は芸術学部でね」
そちら出身でというのだ。
「そちらではね」
「かなりですね」
「有名だったしね」
「出来る人で」
「うん、けれど営業は」
こちらはというのだ。
「本当にね」
「不向きだったんですね」
「うん、だからね」
それでというのだ。
「配置換えしてよかったよ」
「彼女にとって」
「営業部にとっても会社にとっても」
「誰にとってもですね」
「そうだよ、ただね」
椎名は苦い顔になった、そのうえで緑山に話した。
「あくまで人格が最低限のレベルでもないとね」
「ああ、駄目ですね」
緑山もそれはわかって頷いた。
「どうしようもない性格なら」
「何処でもだよ」
「駄目ですね」
「それこそ向いている仕事でもだよ」
「どうにもならないですね」
「仕事が出来ないだけならいいんだ」
椎名は苦い顔のまま言った。
「けれどね」
「性格がどうにもならないと」
「もう駄目だよ」
「どうにもならないですね」
「葉山さんがそうした人でなくてね」
椎名は心から思って言った。
「本当にね」
「よかったですね」
「そのことも思うよ」
こう言ってだった。
二人で昼食に出てそこで仕事のことを話していった、葉山のことだけでなく会社全体のことをざるそばを一緒に食べつつ話したのだった。
仕事が出来ない人 完
2024・3・17
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