第十五話:伝説の超サイヤ人!!ナッパ!!
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目の前の人物を吹き飛ばすために駆け出した。
何故この男が生きているのか、何故この世界に居るのか、様々な疑問が浮かんだ。
しかしそんなことはコイツを倒して皆を救ってから考えればいい!!
その想い一心でネロはナッパの前へ瞬時に移動してナッパの顔面を捉えて拳を撃つ手前。
ナッパが驚いた表情をするも楽しそうに凶悪な笑みさえも浮かべて――ネロの拳を受けた。
「!?」
「だ、旦那―――ッ!!」
ネロに殴り飛ばされたナッパに小物の男が悲鳴を上げるのを構わず、又してもネロの思考は疑問で埋め尽くされた。
焦る思考と目的、どちらを取るかと言えば、今は目的だ。
雑魚と思っていた男がわざと殴り飛ばされたのなら、今がチャンスだ。
「なんで…いやそれより…どけぇっ!!」
「ひぃっ…ギャッッッ!!」
「な、なんだきさ――ひぇっっ!!」
ナッパ以外は大した魔力を持ち合わせた者がいない、ネロは慣れ親しんだ魔力がこの男たちの後ろの馬車にあることを到着する直前に感知していた。
瞬間的に最大まで魔力を高め、後ろの馬車から出てきた者たちですら反応できない速度で回し蹴りで一周するように片付けて目的の馬車に入る。
馬車の中は周りで泣き疲れたように眠る子供たちと、会いたかった妹分。
「エルザ…!!」
駆け出せば紅色の子、エルザは気絶から意識を取り戻す。
「――ネロ…お兄ちゃん…?」
「オレだ!兄ちゃんだ!大丈夫か!?」
絶望の光景で意識を失っていた少女にとって、今目に映る兄の姿を信じていた。
帰ってくるって、手紙に書いていた――だから信じた、助けに来ると。
そして、ほら今助けに来てくれている。
「ネロお兄ちゃんだ…夢じゃない…?もう、怖いの終わる…?」
「終わる…終わらせにきたんだ!もう大丈夫だ!!」
「よかった…怖かったよぉ…!!」
もうその言葉だけで、エルザは救われた。
漸く、悪夢のような出来事が終わると思い、あふれ出る涙を抑えきれず目の前の兄に抱き着くことで不安な気持ちを消そうとして服の袖を掴もうとすれば――
「――なるほど、テメーがここに来たのは家族が居たからなのか」
「ッ!!…反応できてたからそんな気がしてたけど…効いてねーようだな」
「ぐははは!あんなへなちょこなパンチで痛がる歳じゃねえぜ?」
険しい顔で後ろに立っている男――ナッパへと振り返るネロ。
ナッパは唯々楽し気に凶悪な顔を愉快と言わんばかりに歪ませる。
「…わりぃ、エルザ。ちょっと倒してくる」
「お兄ちゃん…大丈夫なの?あの人…なんか…違う…」
「!ハハッ、エルザお前って…修
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