【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
【第3節】ヴィヴィオと三人のシスターたち。(前編)
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のままずるずると負けてたんだろうと思うよ。
と言うか、それ以前の問題として、あんな見え見えのローキックを、軸足にまともに喰ってるようでは、格闘家としてダメダメだよね。(苦笑)」
それでも、まだヴァスラの表情は晴れません。
「それと、その……あの時点では、ヴィヴィオさんの体が『そういう特別な体』だなんてゼンゼン知らなかったものですから……試合後、医務室の方へお伺いした時にも、お母様から『今では、靱帯なんて再生治療で簡単に治せる.から大丈夫よ』とか言われて、すっかり真に受けてしまっていました」
「いやいや! あの時点では、なのはママも私も、ホント、普通にそう思ってたんだよ。後になって、お医者さんから言われるまで、私自身も、まさか自分の体が再生治療の効かない特殊な体だなんて思ってもいなかったんだから!」
「それは、その……自分は昨夜、カリム総長から初めてお聞きしたのですが……やはり、その体が聖王陛下の御身だから、なのでしょうか?」
「うん。まあ……この体は、ただ単に遺伝情報が同じだというだけのことで、『聖王陛下の御身』って訳でもないんだけどね。
これは……本当にここだけの話にしておいてほしいんだけど……実を言うと、私の『この体』を造ったのは悪い人で……その人は『聖王の力』が欲しくて、この複製体を造ったんだけど、その力をあくまでも独占しておきたかったから、他の誰かがこの複製体から『さらなる複製体』を造ることができないように、この体にあらかじめ細工をしておいたのよ。
そのせいで、私の体細胞は、私の体の中でなら普通に分裂増殖するし、減数分裂とかも全く普通にできるんだけど……一体どういう原理なのかしら? 私の体細胞は、一旦、私の体の外に出してしまうと、もう正常な分裂増殖ができなくなるの。だから、『体細胞を取り出して、人工的に組織を培養してから、それをまた体の中に戻す』という再生治療が、私の体には効かないのよ。
体内で組織を培養することも不可能じゃないって言われたんだけど……何か月も入院しなきゃいけない上に、治療費がものすごい額になるって話で……念のために、その具体的な額を訊いてみたら、私の予想よりゼロが二つも多かったわ」
「二つですか?!」
ヴァスラもこれには思わず、ちょっと高い声を上げてしまいます。
「うん。やっぱり、滅多に使用されることの無い技術だから、その分、どうしても割高になっちゃうんだろうね。
まあ、うちのママたちは二人そろって高給取りだから、なのはママも『その気になれば出せない額じゃないよ』って言ってくれたし、フェイトママに至っては『あの事故は半ば主催者側の責任でもあるんだから、訴訟に持ち込みさえすれば、DSAAに全額を負担させることだって難しくはないと思うよ』
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