【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
【第3節】ヴィヴィオと三人のシスターたち。(前編)
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く、そうはならないように善処したいと思います」
カナタとツバサは、必要以上に深刻そうな表情でそう応えました。(笑)
そこで、会話が途切れた一瞬の隙を突くようにして、またセインが言いました。
「ヴィヴィオ。シスター・ユミナ。積もる話もあるだろうけど、ここで一旦、二人の会話は切ってくれるかな? もう一人が、そろそろ痺れを切らしてるみたいなんだ」
「ああ! すいませんでした、シスター・セイン」
「ええっと……もしかして、もう一人も、私の知ってる人?」
「うん。知ってるはずだよ。さあ、入って。シスター・ヴァスラ」
セインに名前を呼ばれて入って来たのは、ヴィヴィオよりも少し小柄なファラミィやユミナとは対照的に、ミウラのように大柄な体格の女性でした。
入口で頭をぶつけないように軽く首をすくめると、部屋の中に入って来ても、やや首をすくめたその姿勢のまま、妙にボソボソとした口調でこう語り始めます。
「あの……本当に、長い間……その、御無沙汰してしまって……本当に、その、申し訳ありませんでした……」
一瞬、ヴィヴィオの顔が呆けました。誰なのか、本当に思い出せないようです。
「10年前のことは……もう一度、改めて謝らなければいけないと……自分も、ずっと思い続けてはいたんですが……」
「え? 会うのが10年ぶりで、名前がヴァスラって……。もしかして、IMCSのヴァスラ・クランゼ選手なの?」
「……はい」
「うわあ……。12歳の時は、まだ普通の体格だったよね? なんで、こんなに大きくなっちゃったの?」
「いえ。自分でも、何がどうしてこうなったのか、よく解らないんですが……14歳になった頃から、急に伸び始めまして……18歳になってふと気がついた時には、もうこんな体格になっていました」
「え? もしかして、グラックハウト症候群?!」
「ああ! とても珍しい病気なのに、よく御存知で!」
シスター・ヴァスラは思わず驚愕の表情を浮かべました。
「うん。実は、私の知り合いにも、全く同じ症候群の人がいてね。IMCSの先輩格で、ミウラさんっていう人なんだけど」
そこで、カナタはまたツバサに、今度は慎重に念話で語りかけます。
《ねえ。今、姉様が言った「ミウラさん」って……去年の「カルナージでの合同訓練」にも来てた、あのゴッツい体格した人のことだよね?》
《ええ。そのはずですが、何か?》
《……あの人も、14歳ぐらいまでは普通の体格だったのか……。》
カナタは『とても信じられない』と言わんばかりに、小さく首をゆすりました。
一方、ヴァスラが言葉に詰まっているうちに、ツバサはまたヴィヴィオにこう問いかけました。
「ところで、姉様。そちらの方は?」
「もしかして、また、ボクらが赤ちゃんだった
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