【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
【第3節】ヴィヴィオと三人のシスターたち。(前編)
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くれませんか?』と御連絡をいただきまして……。
それで、私も『聖女様がおっしゃっていたのは、このことだったのか』と気がつき、『そういうことなら、是非ともやらせてください』と即答させていただきました」
「なるほど。そういう流れだったんですね」
そこで、カナタはふと小声で、ツバサにこう語りかけます。
「ああ! どこかで見たことのある人だと思ったら。ほら。昔の写真で、よく兄様の隣に写ってる人だヨ」
「……今頃、気がついたんですか?」
ツバサはちょっぴり呆れ顔で、そう返しました。
「あ〜。双子ちゃんはアインハルトさんのことを本当に『兄様』って呼んでるんですね」
「ええ。6年前、二人がミッドに戻って来た時には、もうアインハルトさんの男装も板についてましたし、地球ではまだ同性婚なんて滅多に無いから、二人とも『姉の結婚相手なら、当然に義兄だろう』とか思い込んじゃったみたいで」
「確かに。先程の報道番組は私たちも向こうの部屋で観てたんですけど、ちらりと映ったアインハルトさんの『あの姿』を見て、『この人、実は女性かな?』なんて思う人はまずいないでしょうね」
【ちなみに、一昨年(新暦93年)の夏に、例の映画が公開されて以来、アインハルトはその髪を『肩にすら掛からないほどに』短くしており、ますます昔のクラウスによく似た印象の持ち主となっていました。】
そこで、ツバサがふと言葉を差し挟みます。
「あの……姉様。そろそろ、シスターたちに私たちの紹介を……」
しかし、その言葉には間髪をいれずに、ユミナが笑って応えました。
「大丈夫、解ってますよ。あなたがツバサちゃんで、そちらがカナタちゃんでしょ」
そして、双子の顔に浮かんだ疑問符には、ヴィヴィオがこう答えます。
「二人とも、まだ赤ちゃんだったから覚えてないだろうけど、初対面じゃないのよ。当時は、あなたたち、ファラやユミナさんにも随分とお世話になってたんだから」
「アインハルトさんと一緒に、カナタちゃんのオシメを取り換えたこともありま〜す」
「うわ〜。そういう恥ずかしいコトは、できれば言わずにおいてほしかったな〜」
カナタは思わず頭を抱えて、その場にうずくまってしまいました。部屋の奥では、ファラミィが懸命に笑いをこらえています。
そこで、ユミナは慌てて、軽く謝罪の言葉を入れました。
「あ〜。ごめんなさい。私ったら、つい、はしゃいじゃって」
「大丈夫よ、二人とも。こういうのは、どうせ順繰りなんだから」
「じゅんぐり?」
そこで、ヴィヴィオは自分のお腹をなでながら、こう答えました。
「ええ。この子がいつか、今のあなたたちぐらいの歳になったら、あなたたちはきっと、この子に向かって似たようなコトを言うから。(笑)」
「そうなのかな〜?」
「……なるべ
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