【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
【第3節】ヴィヴィオと三人のシスターたち。(前編)
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自慢の髪、切っちゃったの?」
「は〜い。俗名は、ファラミィ・ジェムナで〜す。バッサリ行きました〜」
髪型と服装のせいで、随分と印象が変わってしまっていましたが、彼女は、何とヴィヴィオの中等科時代と高等科時代の「普通の友人」でした。
「うっわ〜。直に会うのって……もしかして、本当に私の結婚式以来……もう7年ぶり?」
「そうなりますね〜」
「……あれ? でも、確か、ファラって、5年前に結婚したはずじゃあ……」
「あ〜、すいません。実は、わたし、いろいろあって3年前の夏には離婚して……それ以来、すっかり『男嫌い』になっちゃったんですけど、実家にいても『針のムシロ』で……どこにも居場所が無くなっちゃったんで、その年の秋にはとうとう家族とも絶縁して聖王教会に転がり込みました」
ファラミィが少し恥ずかしげに白状すると、セインはすかさず、こう言葉を添えます。
「以来、彼女は普通のシスターとして、ずっと奉仕団の方で『炊き出し』とかやってたんだけど、ふとしたことから、彼女がヴィヴィオの友達だったって話がシスター・シャッハの耳に入ってね。それで、今回、あたしの助手というか、食事や配膳や掃除の担当者として、こちらに引き抜いたんだよ」
「という訳で、以後、よろしくお願いしま〜す」
「こちらこそ。相手がファラなら、確かに昔話も尽きそうにないわね」
シスター・ファラが深々と頭を下げると、ヴィヴィオも笑って会釈を返しました。
「それじゃあ、二人目だ。さあ、入って。シスター・ユミナ」
セインに言われて入って来たのは、今度はアインハルトの中等科時代と高等科時代の友人、ユミナ・アンクレイヴでした。
「ええっ! ユミナさん? うっわ〜、お久しぶり! やっぱり、結婚式以来、7年ぶりかしら?」
ヴィヴィオは満面の笑顔で二つ年上の旧友を出迎えました。ユミナもすかさず歩み寄って、差し出されたヴィヴィオの手を握ります。
「そうですね。本当に長らく御無沙汰してしまい、申し訳ありませんでした」
「いいえ〜。ええっと……もしかして、この七年間は、ずっとリベルタに?」
ユミナが、二人の結婚式に出席した後、すぐにリベルタへ旅立ったところまでは、ヴィヴィオもよく憶えています。
「はい。14年前の一件以来、リベルタには、心に傷を抱えた人々が大勢おられますから。それで、私も最初のうちは、他のシスターたちと一緒に仮設住宅などを巡っていたんですが、実を言うと、この4年ほどは聖女様のお伴を務めさせていただいておりました」
14年前の〈エクリプス事件〉によって、〈管16リベルタ〉では首都メラノスが半壊し、万単位の死傷者と百万単位の被災者を出してしまいましたが、その後、リベルタ中央政府の被災者支援への動きは鈍く、現地の聖王教会が
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