【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
【第2節】冥王イクスヴェリアの哀しみ。
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そして、時は流れて、新暦78年。
「軍団長ヴァロザミア」と〈操主の鍵〉の接近によって、イクスヴェリアは「予定外の目覚め」を迎えました。時計を見ると、あれから335年の歳月が流れ去ったようですが、一体何故このミッドチルダに彼女がいるのでしょうか。
いくら扉に内側からしか開けられないような細工がしてあるとは言っても、あの軍団長ならば、そんな細工など簡単に破壊してしまうことでしょう。
イクスヴェリアは、彼女をオルセアに置き去りにして来たことによる「罪悪感」に駆り立てられながらも、まだ随分と寝ぼけた状態のまま、大急ぎでその隠し部屋から西側の小部屋へ出ました。
もしも彼女がここで東側の小部屋に出ていれば、いくら寝ぼけていても間違いなど起きるはずは無かったのですが……西側の小部屋から通路に出ると、その通路にはすぐ先に真新しい右折路がありました。そして、イクスヴェリアはまるで何かに惹き寄せられるようにして、手前の右折路に入ってしまいます。
正面には作業用の(?)仮設扉があり、その鉄扉を開けると、そこはすでに「マリンガーデン」ビルの中でした。地下二階の、普段は人間の立ち入らないパイプスペースです。
イクスヴェリアが寝ぼけた状態のまま、しばらく暗がりの中を進み、またひとつ扉を開けると、いきなり明るい場所に(普段から客やスタッフの往来する通路に)出ました。
(え? ……ここ、社じゃないよね?)
その時になって、イクスヴェリアはようやく、自分がどこかで順路を間違えてしまったことに気がつきましたが、来た道を戻ろうにも、パイプスペースへの扉には、いつの間にかオートロックがかかっています。
イクスヴェリアは仕方なく、さらに西側へと歩を進め……そして、やがて救助活動中のスバルと出逢ったのでした。
【これ以降の具体的な描写は「SSX」を御参照ください。なお、救助活動中のスバルとの会話内容に関しては、『イクスヴェリアはあの時点で、まだ少し寝ぼけていたから』ということで処理させていただきたいと思います。】
新暦78年の夏に〈マリアージュ事件〉が終わった後、イクスヴェリアはまた数十日だけ眠りに就き、その間に、彼女の体は一旦、「海上隔離施設」に収容されてから、また「聖王教会騎士団本部」へと移送されました。
それからしばらくして、7月にまた半日だけ目を覚ました時には、彼女は教会の人々から問われるままに、上に述べたような「冥王の真実」について語り、また、急ぎ駆けつけてくれたスバルとも話をして、さらには、ヴィヴィオとも通話をして「お友だち」になりました。
そして、その直後に、イクスヴェリアはまた「いつ覚めるとも知れぬ」永い眠りに就いたのですが、何日かすると、本部庁舎の特別室のベッドの上で、ま
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