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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
 【第1節】聖王教会本部の側の動向。
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が追ってるヤツ?」
「うん。まだ証拠は上がってないけど、裏ではつながってるんじゃないかって話だよ。でも、バウエル家の人たちが『今はまだ事件を表沙汰にはしないでくれ』って言うんで、管理局としてもまだ当分は表立って動くことができなくて……取りあえず、ギンガさんとチンク(ねえ)が二人だけでひっそりと捜査に乗り出したんだ。
 それで、まあ、じきにそれなりの進展はあったらしいんだけどさ。そこから先は、二人だけじゃどうにも手が足りないみたいでね」
 ギンガとチンクは現在、本局所属の「広域捜査官」なのですが、やはり、どの世界へ行っても、なかなか思うほどには現地の陸士たちの協力は得られないようです。

「そんな訳で、つい先日、教会の方からも少しだけ人を出すことになったんだけど……普通に教会の騎士を部隊単位で動かしたら、それこそ表沙汰になっちゃうからね。世間の注目を集めることなく、全く秘密裡に少人数で動くことができて、なおかつ有能な人材というと……どうしたって候補は限られて来る」
「それで、あの四人を行かせたの?」
「うん。あとは、教会所有の、一見してそうは見えない次元航行船を一隻、乗組員つきでね。昨日の晩には、無事に合流したって連絡があったから、今ごろはもう六人がかりで捜査を進めてる頃だと思うよ」

「……で? どうして、セインさんは一人だけ居残りなのかな?」
 ヴィヴィオがちょっとからかうような口調で言うと、セインはいかにもバツが悪そうな表情でぽりぽりと頭を掻きました。
「いや〜。ホント、あたしも一緒に行けたら良かったんだけどね〜。実は、あたし、今はISがろくに使えない状況なんだよ」
「インヒューレント・スキル(略して、IS)」とは、リンカーコアによる「魔法」とは全く別系統の能力。すなわち、イネートコアによる「先天固有技能」のことです。
 また、セインのISは『固体(無機物)の中を自由に通り抜けることができる』というレアスキル「ディープダイバー」で、思い起こせば、ヴィヴィオも新暦81年7月の、いわゆる「ヴィヴィオ襲撃事件」の際には、危ないところをセインにこのISで助けられたことがありました。

 そうした経緯(いきさつ)もあって、ヴィヴィオはセインのそんな言葉を聞くと、本当に心配そうな口調で尋ねました。
「え? どうしたの、セイン。どこか悪いの?」
「うん。先月の末にちょっとした『事故』に()って、それ以来ね」
 どんな事故だったのかは訊かないでほしい、と言わんばかりの表情です。だから、ヴィヴィオもそれ以上は何も訊きませんでした。
 それでも、セインはヴィヴィオの心配そうな表情を見て、みずから言葉を続けます。
「いやいや。他の身体機能には何の問題も無いんだよ。ヴィヴィオの右膝と同じで日常生活はゼンゼン普通に送れるんだから、特に
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