暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
 【第1節】聖王教会本部の側の動向。
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ィヴィオに再び問うような視線を向けました。
「もう5年も前のことだから、忘れちゃったかな? ほら、カナタとツバサよ。私の妹たち」
すると、分身は不意に驚愕の表情を浮かべて、右の(てのひら)を下に向け、ヴィヴィオのお(へそ)よりも少し上のあたりでその右手を何度も水平に振って見せます。
「そうね、当時はそれぐらいの背丈だったかしら。二人とも大きくなったでしょう?」
分身は驚きの表情を浮かべたまま、コクコクと小さく首を縦に振りました。
「え〜っ。あの頃って、ボクら、そんなに小さかったかなあ?」
「ええ。大体あれぐらいだったと思いますよ」

 そんな会話の後、カナタとツバサはイクスヴェリアの分身に誘われて、一緒に建物の外へと散歩に出かけて行きました。
 ヴィヴィオが窓から外の様子を見ると、二人の修道騎士見習いが、三人の邪魔をしないように、やや遠巻きに警護をしてくれています。
 ヴィヴィオが静かに彼女らの後ろ姿を見つめていると、「凸凹(でこぼこ)コンビ」のシスター・テグニアとシスター・モルザもその「視線」に気づき、くるりと振り向いてヴィヴィオに視線を合わせ一礼してから、またイクスヴェリアの分身と双子の方を追いかけて行きました。
 どうやら、なかなか優秀な警護役のようです。

 ヴィヴィオが一安心(ひとあんしん)すると、いつの間にか隣に来ていたセインが、こんな言葉を添えました。
「あの二人は、ウチの『期待の新人』だよ。背の高い方がシスター・テグニアで、低い方がシスター・モルザ。今はまだ二人とも16歳で見習いだけど、早ければ来年にでも、正式に『修道騎士』に叙任されるんじゃないかな。また戻ってきたら、その席で改めて紹介するよ」
 ヴィヴィオは小さくうなずいてから、ふとセインに尋ねます。
「ところで、セイン。今日は、オットーやディードは居ないの? シャンテやルーヴィの姿も見当たらないみたいだけど?」
「あ〜。それ、ホントはまだ内緒の話なんだけど……。まあ、ヴィヴィオにだったら話しても良いのかな?」
 ヴィヴィオが視線で先を促すと、セインはやむなく「内緒の話」を語り始めました。

「ええっと、妹ちゃんたちには、まだ内緒にしておいてほしいんだけどさ。……まず、メイゼス・バウエルっていう実業家のオジサンがいてね。今はもう60歳ぐらいで、普段はあまり表舞台には出て来ない人なんだけど、ミッドの財界ではそれなりに名の知れた大物で……先祖がベルカ系の移民だから、なのかな? 聖王教会にも毎年、欠かさずに多額の寄付をしてくれてる人なんだよ」
「うん。それで?」
「その人がね。もう十日以上も前のことになるんだけど、商談に出かけた先のカロエスマールで、テロリストたちに拉致(らち)されちゃったんだ」
「え? テロリストって……もしかして、今、ママたち
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ