【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
【第1節】聖王教会本部の側の動向。
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ィヴィオに再び問うような視線を向けました。
「もう5年も前のことだから、忘れちゃったかな? ほら、カナタとツバサよ。私の妹たち」
すると、分身は不意に驚愕の表情を浮かべて、右の掌を下に向け、ヴィヴィオのお臍よりも少し上のあたりでその右手を何度も水平に振って見せます。
「そうね、当時はそれぐらいの背丈だったかしら。二人とも大きくなったでしょう?」
分身は驚きの表情を浮かべたまま、コクコクと小さく首を縦に振りました。
「え〜っ。あの頃って、ボクら、そんなに小さかったかなあ?」
「ええ。大体あれぐらいだったと思いますよ」
そんな会話の後、カナタとツバサはイクスヴェリアの分身に誘われて、一緒に建物の外へと散歩に出かけて行きました。
ヴィヴィオが窓から外の様子を見ると、二人の修道騎士見習いが、三人の邪魔をしないように、やや遠巻きに警護をしてくれています。
ヴィヴィオが静かに彼女らの後ろ姿を見つめていると、「凸凹コンビ」のシスター・テグニアとシスター・モルザもその「視線」に気づき、くるりと振り向いてヴィヴィオに視線を合わせ一礼してから、またイクスヴェリアの分身と双子の方を追いかけて行きました。
どうやら、なかなか優秀な警護役のようです。
ヴィヴィオが一安心すると、いつの間にか隣に来ていたセインが、こんな言葉を添えました。
「あの二人は、ウチの『期待の新人』だよ。背の高い方がシスター・テグニアで、低い方がシスター・モルザ。今はまだ二人とも16歳で見習いだけど、早ければ来年にでも、正式に『修道騎士』に叙任されるんじゃないかな。また戻ってきたら、その席で改めて紹介するよ」
ヴィヴィオは小さくうなずいてから、ふとセインに尋ねます。
「ところで、セイン。今日は、オットーやディードは居ないの? シャンテやルーヴィの姿も見当たらないみたいだけど?」
「あ〜。それ、ホントはまだ内緒の話なんだけど……。まあ、ヴィヴィオにだったら話しても良いのかな?」
ヴィヴィオが視線で先を促すと、セインはやむなく「内緒の話」を語り始めました。
「ええっと、妹ちゃんたちには、まだ内緒にしておいてほしいんだけどさ。……まず、メイゼス・バウエルっていう実業家のオジサンがいてね。今はもう60歳ぐらいで、普段はあまり表舞台には出て来ない人なんだけど、ミッドの財界ではそれなりに名の知れた大物で……先祖がベルカ系の移民だから、なのかな? 聖王教会にも毎年、欠かさずに多額の寄付をしてくれてる人なんだよ」
「うん。それで?」
「その人がね。もう十日以上も前のことになるんだけど、商談に出かけた先のカロエスマールで、テロリストたちに拉致されちゃったんだ」
「え? テロリストって……もしかして、今、ママたち
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