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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【第1章】教会本部、ヴィヴィオとイクスヴェリア。
 【第1節】聖王教会本部の側の動向。
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に「大きな節目」であるに過ぎないのです。

 安易な終末論は「(まこと)の神々」の()教えに(そむ)いています。
〈はじまりの聖堂〉が崩れたことは、確かに大きな痛手でした。しかし、この程度のことで、心が折れたりしてはいけません。すぐに安易に「何かが終わった」と考えるのは、心弱く愚かな者たちの考えです。
 たとえ形あるものが滅びても、形の無いものは滅びずに()り続けます。〈はじまりの聖堂〉が崩れても、〈聖なる炎〉は今も燃え続けているのです。
 だから、我々はまたここから始めましょう。聖王昇天360周年記念祭からは14年遅れになりましたが、真の神々や聖王陛下の目から見れば14年など誤差のうちです。
 我々一人一人が()教えのままに心を強く持って「(おのれ)のなすべきこと」をなすならば、きっと後世の人々は、この年を「新たなはじまりの年」として語り継ぐことになるでしょう』

 こうした名演説の効果もあって、聖王教会は数々の痛みを乗り越え、また前へと進んで行きました。
(なお、14年半もの長きに(わた)って「イクスヴェリアの分身専属のお世話係」を務めて来た二人の修道騎士は、今回の地震を機にその務めを後任に託し、治安維持のために、自分たちの故郷でもある「震源地にも近い被災地」へと帰って行きました。)

 それ以来、「教会騎士団本部の直営地」の方でも、『倒壊した三百年以上も昔の石造りの建物を、順番に建て直してゆく』という地道な作業が精力的に進められていました。
 そのため、今や本部庁舎の周囲の環境は必ずしも昔ほどの静けさではなかったのですが……。
 この2月以降、イクスヴェリアの小さな「分身」は、新たに「お世話係」となった「修道騎士見習い」のシスター・テグニアとシスター・モルザ(ともに16歳)を連れてとても活発に動き回り、倒壊した建物の周囲など、あちらこちらをもの珍しそうに覗いて回ったりしています。
【なお、イクスヴェリアの「本体」は、もう十数年も前から覚醒の兆候を見せ始めてはいるのですが、完全な覚醒のためにはまだ「何か」が足りないようです。】


 そうして、同年の3月末日、一連の余震もようやく落ち着いた頃に、アインハルトとヴィヴィオとカナタとツバサは、本当に久しぶりに本部庁舎へとやって来ました。
 アインハルトとヴィヴィオは昨年の9月に妊娠の報告に来て以来ですから、ほぼ半年ぶりです。また、双子の方は地球から戻って来た年のうちにはヴィヴィオに連れられて三回ほど来ていましたが、翌90年の春に一貫校に入ってからはずっと御無沙汰でしたから、もう5年ぶりになります。
 四人はまず、シスター・セインの案内でカリム総長の執務室へと赴き、アインハルトはカリムに『自分はこれからまた出かけなければなりませんが、フェイト執務官たちが
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