暁 〜小説投稿サイト〜
魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【序章】ベルカ、新たな〈次元航路〉の出現。
 【後編】アインハルト、指名を受ける。
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ガンの北部郊外から「中央幹線道」の北上路に乗って、(うち)寄りの高速車線に入りました。アインハルトはそこで運転を自動に切り替え、AIは法定速度(およそ時速160キロ)を守って、ただひたすらに北上を続けます。
 200キロほど進んだところで道は下り坂となり、トンネルに入って「北の大運河」の下をくぐりました。上り坂を経て再び地上に出ると、そこはもうヴァゼルガム地方で、そこからさらに200キロほど北上すると、中央幹線道もいよいよ終着点となります。
 一般道に降りてさらに北へ行くと、すぐにまた「東西に走る水路」が見えて来ました。こちらは、「大運河」とは違って「小舟(こぶね)が普通にすれ違える程度」の幅しかありませんが、それでも、全長は「大運河」と同様に600キロにも達する長大な水路です。
『何世代もかけて少しずつ築かれた』と伝えられるこの水路が、ベルカ自治領の南側の境界線でした。

 その水路には(ベルカ式の単位系に基づいて)およそ16.2キロメートルごとに大きな橋がかけられていました。そして、それらの橋の途中には、いずれも検問のような遮断機が()りています。
 とは言っても、現代では、それらの検問はすべて機械化・簡素化されており、アインハルトがAIに執務官の身分証を提示すると、あっさりと遮断機が上がりました。本気で「敵の侵入」を警戒して検問を敷いている訳では無く、ただ単に「誰がいつ来たのかを記録しておくために」そうしているだけだからです。
 車で橋を渡ってそのまま道なりに進むと、やがて大きな十字路に出ました。そこを右折すれば農業エリアに、左折すれば都市エリアに行き着くのですが、アインハルトは当然にそこを直進します。
 すると、やがて、今度はまた長大なフェンスが見えて来ました。高さはそれほどでも無く、一見した限りでは簡単に乗り越えられそうにも見えますが、実は、こちらは(橋の上の検問とは違って)相当にセキュリティのしっかりとした「外壁」です。
 このフェンスに囲まれた32.4キロメートル四方、およそ1000平方キロメートルの土地が、教会騎士団本部の「直営地」でした。

 この直営地は、ベルカ自治領の中でもいささか特別な場所であり、一般の車両は外部から直接に乗り入れることが許可されていません。アインハルトは「正面ゲート」の手前に広がる広大な駐車場の端に車を止め、四人で手荷物を片手に車を降りました。
 こちらのゲートでは、生身の人間が二人、門衛を務めています。
「お待ちしておりました。どうぞ、お通りください」
 身分証など提示するまでもなく、門衛たちはヴィヴィオの顔を見るなり、頭を下げて四人をそのまま通しました。いわゆる「VIP待遇」です。
 しかし、カナタとツバサは、そこでいきなり自分たちの通信端末に「圏外」の表示が出たので、少し驚き
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