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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【序章】ベルカ、新たな〈次元航路〉の出現。
 【後編】アインハルト、指名を受ける。
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味方から』という手法を実践したのです。わざわざ「盗聴の可能性」がゼロではない通常回線を使ったのも、もちろん、意図的な行為でした。
 こうして、フェイトは極秘裏に「マルセオラに(ふん)したなのは」を臨時の補佐官として、即日、またテロリストどもの足取りを追う仕事に戻ったのでした。


 ところが、27日になると、アインハルトは前述のとおり、「未知の新世界への調査隊に同行する執務官」として指名されてしまいました。
 なのはとフェイトは今、極秘の任務に就いているので、実のところ、アインハルトの側からは直接に連絡する手段がありません。
 アインハルトが『中央評議会からの直々の指名とあっては、下手に辞退することもできないが、さて、どうしたものか?』と思い悩んでいると、翌日の早朝に、フェイトの方から特別回線でこんな「秘密の連絡」が入りました。

『あなたの置かれた状況はすでに把握しています。この際だから、ヴィヴィオとカナタとツバサは三人とも、聖王教会本部の方で預かってもらうことにしましょう。教会には、私の方から今日中に話をつけておきますから、あなたはまた明日にでも連絡を入れてみなさい』

 それを聞いて、アインハルトもようやく〈本局〉に朝一番で「指名受託」の連絡を入れました。
 ヴィヴィオは妊娠中のためか、メンタルもいつになく不安定になっており、今回はかなり心細い気持ちもあったのですが、それでも、彼女は元気に笑って「夫」のアインハルトを送り出すことにします。
 大航海時代の資料にざっと目を通した限りでは、新世界の「基礎調査」にかかる期間は一か月程度が相場でした。その一方で、ヴィヴィオの出産予定日はまだ二か月も先のことなのですから、まさか『それまでに、アインハルトが戻って来られない』などということは無いでしょう。
 アインハルトもヴィヴィオに『それまでには必ず戻って来る』と約束し、その翌日(3月29日)に、フェイトの指示どおりに特別回線で教会本部へ連絡を入れました。
 もちろん、話はすでについています。
 その日の昼には、教会系列の運送業者が高町家を訪れ、ヴィヴィオとアインハルトの指示どおりに、彼女らの衣類や手荷物、各種の貴重品から「ニコラスの遺品」である文書類まで次々に専用の大型車両に積み込み、高町家の四人よりも一足先に教会本部へと向かったのでした。


 そうして、さらに次の日、アインハルトはいつもの車に、愛する妻とその妹たちと「昨日は積み残した幾許(いくばく)かの手荷物」を乗せて、アラル市の南東地区にある高町家を後にしました。
 これから長らく留守をすることになりますが、すでに大切なモノはすべて持ち出しているので、今ならば、たとえ()き巣に入られたとしても、それほどの被害にはならないでしょう。
 車はまず東へ向かい、クラナ
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