【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【序章】ベルカ、新たな〈次元航路〉の出現。
【後編】アインハルト、指名を受ける。
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上層部〉は大急ぎで「第一次調査隊」の編成に取りかかりました。
また、大航海時代に制定された法律では『新世界への調査隊には執務官の同行が必要である』ということになっていたのですが、その条文は今もなお改正されないまま生き残っていました。
【法律の世界では、よくあることです。(苦笑)】
そこで、3月の27日には、今回の調査隊に同行する執務官として、アインハルト(28歳)が〈中央評議会〉から直々に指名を受けました。
未知の「新世界」は、古代ベルカと文化的につながりがあった可能性が高いので、当然に「古代ベルカ関連の専門家」を選んで同行させるべきでしょう。
そして、もちろん、執務官の中にも「その方面の専門家」は大勢いたのですが、アインハルト以外のそうした執務官たちは(ヴィクトーリアを始めとして)今は大半が特定の案件を抱えている最中で、現在休暇中のそうした執務官たちの中では、アインハルトが「一番の実績」の持ち主だったのです。
【アインハルトも今年の4月で勤続、丸8年。もはや「新人」ではなく、立派な「中堅」です。】
また、管理局としては本当に例外的な措置なのですが、3月も中旬のうちに「新航路の出現」と「調査隊編成中」の情報は一般に公開され、ミッドでもマスメディアは連日、この話題で持ちきりとなりました。
実は、前述のとおり、3月の半ばには「もう一つの大事件」(テロリスト集団の暗躍)が起きていたので、管理局は人々の注意をそちらの事件から逸らすためにも、わざとこちらの情報を多めに流していたのです。
各種メディアは、新暦81年の〈エクリプス事件〉の時などと同様に、管理局の情報操作にまんまと乗せられた形となりました。
【なお、〈ルートメイカー〉の存在を秘匿したままなので、新航路の出現はあたかも「自然現象」であるかのように説明されましたが、管理局の専門家たちから『ベルカ世界の荒廃によって自然に消滅した航路が、世界の復興によって、また自然に再生したようです』などと真顔で解説されると、正確な知識の無い一般の人々は容易にそれで納得してしまいました。】
ここで、話は少しだけ遡ります。
アインハルトの事務担当補佐官パルディエ・ノードリス(23歳)は、昨年の11月にはアルピーノ島での合同訓練に同行せず、ミッド地上で健康診断を受けていたのですが、その際に思いがけず、すでに妊娠2カ月であることが発覚したため、今年は(親友のマルセオラよりも一足先に)3月の末から産休に入ることが事前に決まっていました。
彼女はまだ独身なのですが、どうやら、何か事情があって「秘密の恋人」との正式な入籍や挙式は後回しになるようです。
そんな訳で、アインハルトはあの合同訓練の後、12月からまた新たな案件を担当して
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