【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【序章】ベルカ、新たな〈次元航路〉の出現。
【後編】アインハルト、指名を受ける。
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管理局を自主退職した後、一部の局員は『実は、ガイとゲルダは昔から恋仲で、人知れず何処かの管理外世界へ駆け落ちしたのだ』などという根も葉も無い(?)噂話すら口にしていました。
もちろん、ともに独身だった二人が普通に結ばれてはならない理由など、何処にも無いはずなのですが……今となっては、もう「真相は藪の中」です。
なお、ヴァル・フレイルは退職後も、長らく管理局から「極秘の監視対象」とされていたのですが、彼はしばしばそうした監視の目をすり抜けて行方を晦まし、最終的には新暦24年の目撃例を最後に、完全にその消息を絶ちました。
その後のヴァル・フレイルの行方は、誰も知りません。
なお、この事件で被害者となった現地の住民たちの中には、『当時の地球の技術ではまだ治せない種類の(しかも、放置すれば死に至るほどの)傷を負ったために、「治療のための緊急措置」として、転送で管理局の次元航行艦の中にまで運び込まれた人々』が、累計で何百人もいました。
その大半は傷を治された後、当然に地球への帰還を望んだため、管理局の医師たちは彼等の脳から「今日一日」の記憶をきれいに消去した上で、彼等を現地へと送り返しました。
しかし、中には少数ながら、記憶消去や地球への帰還を望まず、むしろミッドへの移住を積極的に希望する人たちもいました。
【あるいは、彼等はこのまま故郷に帰っても「満足には食べて行くことのできない人々」だったのかも知れません。敗戦から間も無い時代のことで、当時の日本はまだまだ貧しかったのです。】
管理局は(元々は自分たちの失態が原因だったので)やむを得ず、特例措置として彼等の希望を認め、「彼等の故郷と比較して気候や文化がなるべく似ている土地」を選び、彼等(総勢数十名の日本人)を全員まとめてそこへ移住させることにしました。
そして、当然ながら、管理局は現地に(当時の地球の技術水準では、決して見破れないレベルの精巧な)彼等の「ダミー死体」を残して行きました。
なお、こうして日本列島の太平洋岸にある「敷浜市」からミッド南岸部のアラミィ地方にある港町ヴィナーロへと集団移住した人々の中には、まだ結婚(駆け落ち?)したばかりの「ナカジマ夫妻」(ともに18歳)も含まれていました。
これが、ゲンヤ・ナカジマの両親です。
【私も自分なりに、『ゲンヤのような「魔法文化の無い世界で生まれ育った魔力ゼロの人間たち」がミッドチルダへの移民を許可された理由』というモノを、真面目に考えてみたのですが……やはり、これぐらいしか思いつきませんでした。(汗)】
さて、新暦95年の3月15日に、ベルカ世界から〈未知の新世界〉へと向かう新たな航路が開かれると、管理局〈
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