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魔法戦史リリカルなのはSAGA(サーガ)
【第一部】新世界ローゼン。アインハルト救出作戦。
【序章】ベルカ、新たな〈次元航路〉の出現。
 【前編】ルートメイカー、起動する。
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 さて、ベルカ世界はかつての戦乱で荒廃したまま、〈大脱出〉の終了後は長らく放置されていました。

【なお、ベルカ世界からの〈大脱出〉は、古代ベルカ暦では1031年から1080年まで。ミッド旧暦では272年から321年まで。新暦で言えば、前268年から前219年まで。つまり、ミッドにおける「聖王オリヴィエの昇天」から数えれば、その12年後から61年後までの「足かけ50年間」の出来事です。】

 ベルカ世界は、〈本局〉から見れば「北方やや西寄りに180ローデの距離」にあり、また、ミッドから見ても〈無5マニクヴァリス〉を経由して「ほぼ真北に200ローデの距離」にあり、少なくとも距離的には、決して「辺境の世界」という訳ではありません。
 それでも、『まだ大気や土壌の汚染が残っていて危険だから』という名目で、上陸や遺跡の発掘はおろか、ただ立ち寄ることすらも、管理局の手によって長らく禁じられ続けていたのです。
 そうした状況が変わったのは、新暦76年の3月。あの〈ゆりかご事件〉から、およそ半年後のことでした。
 実のところ、「三脳髄」はミッドの地下に〈ゆりかご〉を隠匿(いんとく)したまま、アルハザードや古代ベルカに関する情報も可能な限り自分たちだけで独占しようと(たくら)んでいたのですが、彼等が三人そろってドゥーエに殺されたことにより、管理局の基本方針もいろいろと改められたのです。

【現実には、ベルカ〈中央大陸〉の自然環境は、新暦60年代の初頭には、もう「それなりに」居住可能なレベルにまで回復していました。
 その時点では、まだ緑にも乏しく、全体的にかなり荒涼とした雰囲気でしたが、すでに「場所によっては」雨水(うすい)を利用して特定の植物を育てることも、一応はできるようになり始めていたのです。】

 新暦76年に、遺跡の発掘調査や研究を目的とした人々と、彼等の日常生活をサポートする職種の人々に限って、ベルカ世界への渡航が限定的に解禁された結果、今では発掘や研究の重要拠点である「七つの地区」にはそれぞれ小さな居住区が築かれ、「第一地区」から「第七地区」の名前で呼ばれていました。今では、『ベルカ世界全体では、もう何千人もの人間が「常住」している』といった状況です。
 そして、当然ながら、スクライア一族も「長老アグンゼイド」の率いる支族を中心に、今では相当の人数がベルカ世界に来ており、無限書庫のユーノ司書長とも(今では彼の従者も同然のダールヴを(かい)して)しばしば連絡を取り合っていました。

 こうして「古代ベルカ時代」(およそ1400年前から、およそ320年前までの時代)の謎は随分と解明されて来たのですが、200年に亘る〈空白の時代〉以前の「先史ベルカ時代」(1600年以上前)のことになると、アルハザードとの具体的な関連なども
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