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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第196話:人ならざる者の苦悩
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所。組織の長が居なくなった事で統制を欠いた錬金術師達は、次々と出奔し世界の裏で暗躍する事になってしまう。
 それを防ぐ為、サンジェルマン達嘗ての組織の幹部が改めて錬金術師の組織を立ち上げ、残っている錬金術師を束ねる事となった。その組織の名を、錬金術師協会と言う。サンジェルマン達はそれまで結社の一員として重ねてきた罪を、新たな組織の長として錬金術師達を束ねることで償っていく事となる。

 残念ながら組織に残っていた全ての錬金術師を完全に抑える事は出来ず、アダム蒸発の混乱に乗じて姿を眩ませた構成員は何割か居た。それらに関しては、各国政府の諜報機関と連携して順次摘発している最中であった。

 事態の収束から3日……それらの報告を聞きながら、エルフナインと了子、そしてアリスの3人は今回の事件で確認された不可解な事実への検証と考察を行っていた。

「ん〜、わっかんないわね〜。な〜んで響ちゃんは神の力とやらの依り代になれちゃったのかしら?」
「アダム達の言葉を信じるのであれば、原罪を背負った人類である筈の響さんに神の力が宿る筈がないのに……」
「響さんの生まれにおかしなところは見られません。他に考えられるとすれば、何か後天的な要因でしょうけど……」

 頭脳労働担当の3人が揃って腕を組みウンウン唸る。あおい達がそんな彼女達にコーヒーを差し入れたその時、エルフナインがある事に気付いた。

「あっ! そうか、フロンティア事変ッ!」
「あの時がどうしたの?」
「確かその時、響さんはガングニールの侵蝕を食い止める為に神獣鏡の光を受けたと言ってましたよね?」
「そうですね…………! そうか、そう言う……」

 本来原罪を背負った穢れた人類には、神の力は宿る筈がない。その原罪とは、この場ではバラルの呪詛の事を示す。
 だがフロンティア事変にて、響は未来を助けるのと自身の命を守る為、神獣鏡の光に包まれた。魔を払う聖なる光。それに包まれた事で、響はガングニールの侵蝕と同時に魂に刻まれた呪いからも解放されていたのだ。

「なるほど……つまり浄罪されたって事ね?…………ん? ちょっと待って、それじゃあもしかして……!?」
「あッ! 響さんに当てはまるのなら、それはつまり…………!」









 その頃、颯人達は3日遅れて響の誕生日を祝っていた。装者と魔法使い、そして未来を始めとした響の友人達は、遅れはしたものの17歳となった彼女の誕生日を盛大に祝った。

 ガルドと調、そしてセレナが腕によりをかけて作ったご馳走に舌鼓を打ち、腹が満たされたら始まるゲーム大会。ブロックゲームなどの対戦では様々な組み合わせでの対決が行われ、皆が笑顔でそれを楽しんだ。
 だが何よりもこの場を盛り上げたのは、祝い事では決して手を抜かないこ
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