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夢幻水滸伝
第三百四十話 もう一つの勢力その四

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「それでもな」
「パナマ運河の使用はですね」
「出来る様にしたいわ」
「それではですね」
「ああ、行って来るわ」
 自分がとだ、こう言ってだった。
 トウェインはブラジルのアレンカールに連絡を取り会談を申し出た、すると彼は快諾し自分からロサンゼルスに来ると言ってきた。
 彼の本拠地ブラジリアに送ったゴブリンの若い女性の使者から報告を受けてだ、トウェインは意外といった顔で述べた。
「そうなんやな」
「はい、アレンカール様がです」
「来るって言うてるんやな」
「左様です」
「わかった、ほなこのロスでや」
 トウェインは即座に答えた。
「会談しようってな」
「答えられますね」
「わいが貝殻で伝えるわ」
 それを用いてというのだ。
「そうするわ」
「そうされますか」
「ああ、お疲れさんやったな」
 使者に微笑んで告げた。
「行ってくれて」
「そう言って頂けますか」
「実際そやしな、ほな会談の準備や」
「それに入られますね」
「そうするわ」
 こう言って実際にだった。
 トウェインはアレンカールに了承の返事を送りそのうえで会談の準備に入った、会談の日時も決め手だった。
 そのうえでアレンカールを迎えた、彼はケツアルコアトルに乗って音の倍以上の速さでロザンゼルスまで来た。
 その彼をロサンゼルスの正門で仲間達と共に迎えてだ、トウェインはいささか驚きの顔になって言った。
「自分一人で来たんか」
「ええ、別に堅苦しいお話やないでしょ」
「それはな、しかし一人ですぐに来るなんてな」
「思わなかったのね」
「そっちはまだ飛行機ないにしても」
 それでもというのだ。
「船なりで来ると思ってたわ」
「それやと時間がかかるでしょ」
「ああ、それでか」
「留守の間は皆に任せてね」  
 彼の仲間である中南米の星の者達にというのだ。
「それでね」
「単身来たんやな」
「そうよ、ほな今からね」
「会談に入ろうな」
「そうしましょう」
 こうした話をしてだった。
 アレンカールはトウェイン達にロサンゼルスに迎えられこの街にあるトウェイン達の勢力の官邸に案内されてだった。
 その中の迎賓室で会談となった、トウェインは彼の勢力と自身の勢力との間で中立条約を結ぶことを提案した。
「そうしたいんやが」
「ああ、そのことでお話したかったのね」
「ああ、ええか」
「いいわよ」 
 アレンカールは微笑んで即答した。
「こちらとしてもね」
「わい等との中立条約締結はやな」
「望むところよ」  
 こう言うのだった。
「そやからね」
「ええんやな」
「ええ、いいわよ」 
 微笑んだままでの返事だった。
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