暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第三百四十話 もう一つの勢力その二

[8]前話 [2]次話
「水軍もな」
「用いますか」
「この世界にはもうパナマ運河がある」
 この運河のことをここで話した。
「そやからな」
「パナマ運河を通過して」
「太平洋岸の水軍をそうさせてな」
 そのうえでというのだ。
「デリーロたちの後方にあたる」
「カリブ海ですね」
 ミニーが応えた。
「あちらにですね」
「展開させる、出来れば基地もな」
 水軍のそれもというのだ。
「用意出来ればええが」
「それはです」
「難しいな」
「カリブ海の方に私達の勢力は及んでませんから」
 だからだというのだ。
「残念ですが」
「難しいな」
「基地があれば」
 軍のそれこの場合は水軍である、トウェインは軍港等のそうした軍事施設のことを考えながら話すのだった。
「そこを拠点としてな」
「あちらの工法を脅かすことが出来ますね」
「そう出来るけどな」
「それがですね」
「残念やけどな」
 それはというのだ。
「ほんまな」
「難しいです」
「むしろカリブ海はあいつ等の勢力圏や」
「そして東のメルヴィルさんの」
「そやからな」 
 だからだというのだ。
「わい等はな」
「あちらにはですね」
「基地は置けん、もっと言えばや」 
 メルヴィルはさらに話した。
「パナマ運河の通過も出来るか」
「今あちらはアレンカールさんが掌握されていますね」
 オニールがこのことを指摘した、トウェインに匹敵するまでの苦い顔で。
「そうですね」
「ああ、あいつとはまだ何も関係ないが」
「貿易をしている位ですね」
「そやけどな」
 それでもというのだ。
「条約も何もな」
「結んでいませんね」
「そやからな」
「条約を結びますか」
「そうするか」
 トウェインはオニールに考える顔のまま応えた。
「そのこともやることか」
「そうしてですね」
「パナマ運河の通過もな」
 この権利もというのだ。
「貰うか」
「そうしますか」
「あそこを通らんと」
 トウェインはさらに話した。
「どうしてもな」
「東海岸に行く距離が恐ろしく長くなります」
「北氷洋を通るかマゼラン海峡を通るか」
「どっちかですね」
「そうしたらほんま長くなる」
 その距離がというのだ。
「その分将兵も疲れてしかも燃料もかかる」
「食料も」
「こんな大変なことはないわ、しかもや」
 トウェインはその顔をさらに苦くさせて言葉を続けた。
「どっちも難所中の難所や」
「そうです、北極の海は迂闊には通れません」
 北氷洋に面しているアラスカ州のエリカが言ってきた。
「めっちゃ寒くて氷も多くて」
「当然獣やモンスターもおってな」
「私達の軍艦でもです」
 これを用いて通過せんとしてもというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ