第18話
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「ふう、さすが”タイレル通信”期待の新人、大したモンだぜ。――――――ここだけの話、俺達はこの地である人物に注目しててな。ほら、”あいつ”だ。」
話を続けたヴァンはある人物――――――映画館から出て来たサングラスをかけたマクシムに視線を向けた。
「っ……?も、もしかしてマクシム・ルーガン選手……!?」
「あ、”ぜっとわん”の人……本当に有名人だったんですね。」
「えっと、ヴァンさん……」
(懲りない男ですね……)
マクシムを目にして驚いているマリエルの反応を見たフェリは目を丸くし、ヴァンの行動を察したアニエスはヴァンに視線を向け、メイヴィスレインは呆れた表情で呟いた。
「ど、どうして”紅い流星”がここにっ?」
「ああ、そいつは守秘義務があるから言えねぇな。だが、あんな有名人が一人で煌都に来てあんな風にブラついている……ちょっとおかしいと思わねぇか?」
「た、確かに……」
「残念だが俺達は別件が入って奴さんは追えねぇんだ。悔しいが、ディンゴの誼もあるし、お前さんに譲ってもいいぜ?」
「で、でもわたしは政治記者志望で……それにそれこそゴシップ誌みたいな……」
ヴァンの提案に対してマリエルは複雑そうな表情で理由を説明をして断ろうとしたが
「タイレルだって芸能スポーツ面はあんだろ?何か掴んだら手柄だし、希望部署にも繋がる。それに――――――ディンゴの得意分野を学べるチャンスかもしれないぜ……?」
「………!わかりましたっ……!確かにわたしも芸能面は疎いですし……!ルールを破らず、プライベートに踏み込まず、必ずや何らかのネタを掴んでみせますっ。……ふふふ、そうすればディンゴさんもわたしの事を見直して……」
ヴァンから納得できる説明を聞くと目を見開き、嬉しそうな様子で自分の未来を想像した。
「お、おう……その意気だ。――――――そんじゃあ健闘を祈るぜ!」
「情報提供、ありがとうございます!待っていなさい〜、今度こそ大スクープを掴んでやるんだから〜!」
そしてヴァンに応援の言葉をかけられたマリエルは元気よく返事をした後マクシムの後を追い始めた。
「ふふっ、なんだか可愛らしいヒトでしたね。わたしよりちょっと年上くらいでしょうか?」
「い、いえ……記者なら多分二十歳以上だと思いますけど。――――――ヴァンさん、また……」
去って行くマリエルの背中を微笑ましそうに見つめているフェリの推測に指摘したアニエスは困った表情でヴァンを見つめた。
「嘘は言っちゃいねえぞ?ま、特に何もなさそうだがな。面倒も片付いたことだし、改めて掲示板をチェックするか。」
「はいっ。」
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