第七幕その五
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皆で川の幸を食べていきます、すっぽん鍋がすっかり空になりますと恵梨香はドロシーに尋ねました。
「この後は」
「そう、雑炊よ」
「そちらですね」
「お鍋の最後はね」
おつゆだけになったお鍋の中を見て言います。
「やっぱりね」
「雑炊ですね」
「すっぽんだとね」
「それで、ですね」
「今からご飯を入れてもらって」
お鍋の中にというのです。
「卵もといで入れて」
「まる雑炊ですね」
「まる雑炊?」
おじさんは恵梨香の今の言葉に不思議そうに尋ねました。
「何だい、それは」
「はい、すっぽん鍋の後の雑炊なんですが」
「何でまると言うんだい?」
「すっぽんの甲羅の形が丸いので」
だからだというのです。
「それで、です」
「まる雑炊と呼ぶのか」
「そうなんです、すっぽん自体をです」
「まると呼ぶんだな」
「日本の関西では」
「河豚も鉄砲と呼ぶし」
おばさんはこのことを言いました。
「すっぽんはまるで」
「どうでしょうか」
「面白いわね」
恵梨香に笑顔で言いました。
「それはまた」
「そう思ってくれますか」
「実際にね、日本の関西は面白い表現を使うわね」
「関西はお笑い自体も有名でして」
「そうした表現もなのね」
「あります」
こうおばさんにお話します。
「日本の関西には」
「そうなのね」
「そういえば日本の街もオズの国には結構あるな」
おじさんはこのことを言いました。
「それで日本の人達もいるな」
「そうなの、織田信長さんもおられてね」
ドロシーが答えます、今まさにご飯が運ばれてきてお鍋に入れられてまる雑炊が順調に作られています。
「忍者の人達もおられて野球選手の人達もね」
「いるんだな」
「そうなのよ」
「忍者の人達もか」
「力士の人達もね」
「何か不思議な存在だとな」
その様にというのです。
「昔はな」
「思ったわね」
「カンサスにいた頃はな」
「日本っていうとね」
「遠い海の果てにあってな」
そうしてというのです。
「こうしたものをお箸で食べて」
「お侍さんや忍者や力士の人達がいて」
「髪の毛を剃ったお坊さんもいてな」
「神秘的な巫女さんもいて」
「かなり不思議な国があると聞いていた」
そうだったというのです。
「魔法の様な」
「それでその日本もね」
「今のオズの国には入っているな」
「それでお寿司も食べられて」
「今もだな」
「食べられてね」
その日本のお料理をというのです。
「お侍さんや忍者の人達ともね」
「会えるか」
「そうよ。お相撲も出来るわ」
「それもいいな」
「凄くね」
「忍者なんてね」
雑炊は皆のお椀の中にあります、おばさんはその雑炊を食べつつ言います。とても美味
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