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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第11話
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…と言うより、罪人を磔にしている様にしか見えんな」
ただ観ているだけでは埒が明かないと思い、片開き戸を拘束している鎖を斬ろうと覇者の剣を生やしたが、
「その扉に触れるな」
先程の呼ぶ声とは違う、まるで拒絶や説教の様な声が響く。
「……誰だ?」
ハドラーちゃんが背後の殺気に気付いて振り返ると、3匹のモンスターに囲まれていた。

紫色のグレイトドラゴン。
水色のカイザードラゴン。
青肌のメイデンドール。

そのどれもが、規格外の貫禄と威厳を放っていた。
「なかなか面白そうだ」
3匹のモンスターがそれぞれ名乗りを上げる。
「わしが竜王の力を得て、この罪深き許し難い罪人の自由を奪った『りゅうおうもどき』である」
「同じく……我、破壊神シドーの力、与えられし……『シドードラゴン』……。この罪深き許し難い罪人の不自由、我の所業……!」
「そして、私が『ゾーマズレディ』。恐れ多くも、ゾーマ様の力を頂き、この罪深き許し難い罪人に手を加えたのよ」
それを聞いて、フレイザード2号が首を傾げた。
「罪人……って……あの宙ぶらりんな扉の事……なの?」
りゅうおうもどきはフレイザード2号の質問を肯定した。
「如何にも!もし、わしと共にあそこにいる罪深き許し難い罪人に罰を与えるのであれば、世界の半分をお前にやろう」
ハドラーちゃんもフレイザード2号も否定や拒否の態度を示した。
「罪人って言っても……ただの扉よアレ」
「ぬかせ。この魔王ハドラー、魔軍司令の時の様な辱めは、もう2度と受けんと決めている!」
が、りゅうおうもどきの次の言葉は、
「……と言いたい所だが、わしにその権限は無い」
それを聞いたフレイザード2号がズッコケた。
「無いんかい!?」
「わしらは、罪深き許し難い罪人の釈放と自由を汚し、其方ら罪深き許し難い罪人を助ける者を阻む為、偉大なる神より生み出された番人なのだ」
今度はシドードラゴンが口を開く。
「我ら……大いなる魔王の力……与えられた……この罪深き許し難い罪人は……解き放たない……」
更にゾーマズレディが続く。
「罪深き許し難い罪人よ!何故この2人を呼び、もがき生きるのか?滅びこそ我が喜び。死に逝く者こそ美しい。さあ、我が腕の中で息絶えるが良い!」
それに対するハドラーちゃんの答えはただ1つ!
「敗れ去るのはお前達の方だ!お陰でますますあの扉の事が知りたくなったし、正直に言ってお前達が欲しくなった……」
そして、魔王としての威厳を取り戻す為に嫌々着ていた魔軍司令時代のマントを脱ぎ捨てた。
「お前達は自慢して良いぞ!この邪魔臭いマントを脱ぐって事は、この俺にその実力を認められた証だ!」
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