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神々の塔
第六十一話 曼荼羅その六

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「アニメやとな」
「死んでるな」
「それでや」
「もうこれ以上害毒を撒き散らさん様になったな」
「目出度くな」
 芥川も心から言った。
「そうなったな」
「そや、そしてや」
 そのうえでというのだ。
「主人公はアメリカに行く」
「メジャーにやな」
「それで終わったな」
「アニメの方は」
「というかあの親父は私等も知ってるな」 
 シェリルが言い他の日本以外の国の出身の者達も頷いた。
「皆な」
「有名な漫画でな」
「有名なキャラクターやからか」
「それでやな」 
 芥川はシェリルに答えて話した。
「皆知ってるな」
「かなり昔の漫画でもな」
「もう伝説やからな」
「それでやな」
「リメイクもされたしな」
 ただし主人公はライバルキャラの方になっている。
「日本の漫画を代表する作品の一つや」
「そやねんな」
「ああ、ただ巨人っていうのがな」
「嫌やな」
「巨人はあかん」
 芥川は言い切った。
「あんな悪いチームはない」
「邪悪の権化やな」
「そや、この世の悪徳を凝縮させたな」
「そんなチームやな」
「そんなチームが主役とかな」
「その星になるとかな」
「絶対あかん、というか昔の漫画は巨人ばかりやった」 
 プロ野球が舞台ならだ、こうした誤った風潮が戦後日本のモラルそれに知性の著しい低下を招いたことは言うまでもない。
「それであの漫画もや」
「巨人やな」
「今でこそ二十年連続最下位でな」
「ええとこ何もないチームやな」
「そやけどな」
 今はそうであるがというのだ。
「巨人軍大鵬卵焼き」
「昔はそう言うたんやったな」
「子供の好きなもんはな」
 即ち子供の頃からモラルと知性が崩壊していたのだ。
「その三つやった」
「大鵬さんは兎も角な」
「卵焼きはええ」
 こちらはというのだ。
「別にな」
「卵焼き嫌いな人っておるやろか?」
 綾乃がここで首を傾げさせた。
「果たして」
「卵あかん人やないといないでしょ」
 アレンカールが答えた。
「それこそ」
「そやね」
「おかずになってね」
 ご飯のというのだ。
「お酒にも合うし」
「めっちゃええお料理やね」
「あんないいお料理そうはないわよ」
「そやね」
「オムレツと並ぶわ」
 この卵料理と、というのだ。
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