第六十一話 曼荼羅その四
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「心身を清める」
「そうしたもんやな」
「苦行やないねん」
滝に打たれることもというのだ。
「心身を清める」
「そうしたもんやな」
「そやで。そんな昔のスポ魂みたいな」
綾乃はシェリルに笑って話した。
「変なことせえへんさかい」
「密教でもやな」
「禅宗でも修験道でもやで」
「辛いことせえへんな」
「そやで。己を高める為のもので」
そうしたものでというのだ。
「心身を傷める為のもんやないから」
「そこは大事やな」
「そやで、己を高めるもんやで」
「それな、昔のスポ魂漫画な」
リーが言ってきた。
「日本の昭和の」
「四十年代とかのか」
「ああ、何か変なことしてたりするな」
こう中里に話した。
「作品によっては」
「ギプスしたりやな」
「身体傷めるだけのな」
「まあ当時はそうした科学的知識もなかったしな」
「兎跳びもやな」
「やってたしな」
当時は足腰を鍛えるとされていたのだ、尚日本の高市立中学ではそれがドラマでも言われる様になっても行わせていた教師がいた。教師であるが勉強していなかったのだ。
「科学的知識がな」
「まだなかったか」
「けどそれ抜いてもな」
中里はどうかという顔で話した。
「当時から見てもネタになる」
「変なトレーニングあったな」
「漫画によってはな」
このことを認めて話すのだった。
「大リーグ養成とかいうてな」
「実際のメジャーの人はしてへんかったな」
「アホな親父がさせてたんや」
「苦行みたいなことをやな」
「苦行みたいな猛特訓を経て」
そうしてというのだ。
「強うなる」
「そう教えられてたんやな」
「当時はな」
「そやってんな」
「けど実際はな」
現実はというと。
「そんなことしてもな」
「心と身体傷めるだけやな」
「そや」
まさにというのだ。
「あんなことしても何も意味はないわ」
「かえって逆効果やな」
「そや、それはもうな」
「もう?」
「お釈迦様もわかってたやろ」
「悟り開く前の苦行やな」
「断食してはったけどな」
中里はリーにこの逸話の話をした。
「そやけどな」
「意味はあったか」
「かえってや」
「死にそうになってたな」
「文字通り骨と皮だけになりはって」
この時の姿も像になっている。
「それでな」
「そのうえでやったな」
「ほんま一刻の猶予もない様な」
「そうなってな」
「それでお粥貰って生きてや」
「そこから気付きはったな」
「そや、苦行はな」
中里はリーにさらに話した。
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