第百二十一話 どう違うのかその三
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「お顔がどうとかね」
「言われてるでしょ」
「十字架のお顔じゃないのよね」
「実はね」
このことを話すのだった。
「あのキリストさんはラテン系のお顔でしょ」
「けれどそれはね」
「有り得ないのよ」
当時としてはというのだ。
「ローマ人はラテン系でも」
「キリストさんヘブライ系だしね」
「だからラテン系のお顔になることはね」
「有り得ないわね」
「そうよ、それでダビデ王と科ソロモン王の頃は」
その頃のことはというのだ。
「セム語族で」
「白人のお顔じゃないわね」
「私のお顔何人に見えるかしら」
イスラエルの娘は留奈に尋ねた。
「それで」
「白人のお顔じゃない」
留奈はうどんをすすってから答えた、そしてその麺をおかずにまたお握りを食べる。うどん定食の様に食べている。
「どう見ても」
「でしょ?ちなみにイギリスからね」
「イスラエルに来たのね」
「ご先祖様はね」
「そうなのね」
「だから白人だけれど」
自分はというのだ。
「このこともね」
「有り得ないのね」
「そうよ、それでヘブライの地でね」
旧約聖書にある話をだ、イスラエルの娘はここではじめた。
「バビロン捕囚あって十支族消えてね」
「何処かに行って」
「その人達も混血してね」
「世界の何処かにいるのよね」
「そう、それでね」
そのうえでというのだ。
「ローマにエルサレムが攻め落とされて」
「残った人達も離散して」
「世界各地に散って」
「混血したのね」
「そう、だからイスラエル人はね」
この国の人達はというのだ。
「そこからシオニズムで戻って来たから」
「色々な人種がいるのね」
「そうよ、白人といっても色々だしね」
「ラテン系とかゲルマン系とか」
「そうだしね、私の家族はイギリスから来たけれど」
留奈にそうであるがという口調で話した。
「イスラエルのお隣さんはイタリアからね」
「来た人達だったの」
「そう、ちなみにイタリアはユダヤ系に寛容なのよ」
そうしたお国柄だったというのだ。
「あのムッソリーニさんも守ってくれたし」
「ナチスからよね」
「色々言われている人だけれど」
ファシズムの代名詞、第二次世界大戦の主犯の一人でヒトラーやスターリンと並び称される独裁者としてだ。
「けれどね」
「それでもよね」
「別にね」
ムッソリーニはというのだ。
「私から見たらね」
「悪い人じゃないのね」
「嫌いじゃないわ」
そうだというのだ。
「正直言ってね」
「それ中一の頃にも言ってたわね」
「そうよ、それで同じユダヤ系でも」
ここでだ、イスラエルの娘は難しい顔になって留奈に話した。
「難しいところがあるのよ」
「難しい?」
「差別あるわよ」
「
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