第八十話 教会の仕組みその二
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事務所にいました、すると今日もでした。
新一君がにこにことして詰所に入ってきました、陣す余にいる人達は皆笑いながら言いました。
「今日も来たね」
「そうですね」
「もうお約束ですね」
「日参ですね」
「全く」
ここでお口がへの字になったのがわかりました。
「何で毎日来るのか」
「必要ないっていうんだね」
「ないじゃないですか」
どう考えてもです。
「だって学校行って」
「ひのきしんさせてもらってだね」
「はい、それでいいじゃないですか」
考えてみるとです。
「別に」
「詰所に来ることはないね」
「それも朝と夕方」
一日二回です。
「しかも休日まで」
「熱心だよね」
「学校や神殿はわかりますけれど」
そちらはです。
「ですがそれでも」
「詰所はだね」
「何で来るのか」
それがです。
「全くわからないんですが」
「阿波野君の立場で考えたらどうかしら」
白石さんの奥さんが言ってきました。
「それならね」
「新一君の、ですか」
「ええ、何で毎日詰所に来るのか」
笑ってのお言葉でした。
「それをね」
「そうですね」
言われた通り新一君の側に立って考えてみました、ですが。
どうしてもわかりません、それでこう言いました。
「来る必要ないです」
「普通はね」
「普通は、ですか」
「千里ちゃんのお顔見に来てるって言ってるわね」
「はい」
確かにそう言っています。
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