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金木犀の許嫁
第八話 同居をはじめてその十一

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「それでね」
「そういうことだね」
「合ってみないとね」
「その人のことはわからない」
「もっと言えば何年一緒にいても」
 そうしてもとだ、夜空は佐京に話した。
「知らない一面とかあるし」
「そういえば」
「あるでしょ」
「確かに」
 佐京はご飯を食べつつ頷いた。
「そんなこともある」
「意外な一面とかね」
「言うし」
「私この前お姉ちゃんが特撮好きって知って驚いたし」
「知らなかったのってね」 
 その真昼も言った。
「私も驚いたわよ」
「いや、私本当にね」
「知らなかったのね」
「お姉ちゃんのそのことはね」
「それで知ってなの」
「驚いたわ」
「そうなのね」
 麻尋は意外といった顔であった、そのうえでハンバーグを食べてそれからまた妹に言ったのだった。
「私が特撮好きとか」
「そうした感じしなかったから」
「特撮は偉大な文化でしょ」
 真昼は真顔で話した。
「面白くて楽しくて」
「人間として大事なことの学べる、よね」
「そうしたね」
「素晴らしい文化ね」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「私ずっと観ているし」
「これからもなのね」
「観ているのよ」
「そうなのよね」
「だからね」
 それでというのだ。
「私子供の頃から好きで」
「これからもよね」
「好きでいるわ」
 特撮をとだ、妹に話した。
「絶対に下手な思想書よりいいわよ」
「そんなにいいのね」
「漫画もアニメもね、変な思想家の本なんて」
 それこそというのだ。
「全くね」
「読む価値なくて」
「そんなの読む位なら」
「特撮観たらいいのね」
「日本って結構変な思想家いるらしいし」
「そうなのね」
「思想家だから偉いんじゃないでしょ」
 妹にきっぱりとした口調で言い切った。
「その人がどんな考えか」
「そのことが大事なのね」
「変に難しい言葉使っても」 
 例えそうしてもというのだ。
「頭がいいんじゃないのよ」
「難しい言葉を使っても」
「そう、要点は簡単でわかりやすい言葉をね」
「使えばいいのね」
「それでどんな考えか」
 それがというのだ。
「大事でね」
「思想家イコール偉いじゃないのね」
「わかりやすい文章でいいことを言う人じゃないと」
 例え思想家でもとだ、真昼は話した。
「駄目でしょ」
「特撮はわかりやすくて」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
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