黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第9話
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ァイブロダブルブレード》のアルファマン、超加速スラスターのベータマン、高出力マイクロウェーブガンのガンママン。いずれもグールベレーの中では、下から数えた方が早い雑魚ばかりではあったが……それでも、陸軍の産物にここまでしてやられるとはな)
部隊の中では最下層に位置する弱卒とはいえ、敗れた隊員達も並の幹部怪人を遥かに凌ぐ実力者だったのだ。その隊員達がこうも次々と、短時間のうちに倒されている。
人間を超えた「兵器」そのものである改造人間。その中でも「精鋭」とされているはずのグールベレー隊員が、鎧を着ただけの生身の人間に過ぎない未熟な鉄屑に連敗しているのだ。これは、改造人間という概念の存在意義にすら関わる由々しき事態であった。
(グールベレーの中でも上位に位置する「真の精鋭達」は、まだ何人も残っている。だが万一、これ以上の被害が出るようなことになれば……今回の侵攻作戦を完遂出来たとしても、「あの方々」の怒りを買う事態にもなりかねんな)
このままでは、戦果を期待している上司達――シェードの創設メンバーだという「あの方々」の不興を買ってしまう。いや、間違いなくそれどころでは済まされないだろう。最悪、責任者に対する「極刑」もあり得る。
表情こそ平静を保ってはいるが、その内面にはグールベレーの不甲斐なさに対する憤怒の色が滲み始めていた。特に、元マルコシアン隊でもあるランバルツァーに対する不信感は、より根強くなっている。
(……隊長。まさかとは思うが、あの「切り札」を……「ブリアレオス」を発動するようなことにはなるまいな……?)
紅茶を飲み終えた直後。空になったティーカップを握り砕いた指揮官の男は、デスクに置かれていたボルサリーノハットを被りながら立ち上がり、テントの外へと歩み出す。
追い詰められたグールベレーが「切り札」を解禁する可能性だけではない。彼らが敗北し、指揮官である自らが直々に動かねばならない事態も想定せねばならなくなったのだ。
「……楽しませてくれるではないか、人間共め」
人ならざる面妖な顔を持つ指揮官の男は、剣呑な面持ちで暗雲の空を睨む。そんな彼の背後では、再びレーダー内の光点が消失しようとしていた――。
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