黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第8話
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ぅうぅッ!? こ、このくたばり損ないがッ……!」
「生憎だが、マルコシアン隊はそんな馬鹿ばっかりなんでねッ……!」
「ぐぅううぅッ……!」
グールベレー隊員を仰向けに押し倒し、馬乗りの体勢に持ち込んだアサルトスパルタンは、逆手持ちのナイフをグールベレー隊員の胸板に突き立てようとする。対するグールベレー隊員も彼の腕を掴み、刺突を阻止しようとしていた。
両手でナイフを握り締めるアサルトスパルタンは、全力で体重を乗せて刃を突き込もうとする。その構えは奇しくも、神に祈る信徒のようであった。
しかし単純な膂力は、グールベレー隊員の方が遥かに上。アサルトスパルタンの奮戦虚しく、ナイフを握る腕は徐々に押し返されようとしていた。
(……く、ふふっ、やはり所詮は人間共が拵えた急造機……! この程度の膂力、俺の腕力なら簡単に押し除けられるわ……! どこまで行っても貴様達人間は、俺達の領域には決して届かぬということよッ……!?)
だが。グールベレー隊員が勝利を確信した、その時。彼が背中を預けている屋上の一部に亀裂が走り、崩れ落ちようとしていた。
2度に渡る弾頭の爆発が影響しているのだろう。まるでグールベレー隊員を地獄に堕とそうとするかのように、屋根が崩れ始めて行く。
「ぬッ……うぅッ!? や、屋根が崩れッ……!?」
「どうやら……『天罰』が降る時が来たようだぜッ!」
「なんだと……!?」
その事態を察したアサルトスパルタンは仮面の下で不敵な笑みを浮かべ、その場から飛び退いて行く。そんな彼を追い掛けようと、グールベレー隊員も身を起こすのだが――彼が立ち上がるよりも先に、屋根の一部が完全に崩壊してしまった。
「うぐぉおおぉおッ!?」
まるで、地獄へと続く落とし穴のようであった。べキリ、という鈍い音と共に屋根の一部が崩れ、グールベレー隊員の身体が墜落して行く。
無論彼は、教会の高さから落ちたというだけで死に至るような、柔な改造人間ではない。だが彼が落ちた先は、教会内に聳え立つ巨大な十字架の真上であった。その先端は槍のように鋭利だ。
(十字架の先端……!? い、いや大丈夫だ! 強固な外皮を持つこの俺の肉体が、あんなものに貫かれるはずがッ――!)
彼自身が考える通り。「強固な外皮」を有している彼の肉体ならば、十字架の先端程度で貫かれることなどない。十字架の方がへし折れてしまうだろう。
だが、それは彼の肉体が――彼の背中が、「外皮」を維持していればの話。対改造人間用バズーカで背中を撃たれ、外皮どころか肉まで吹き飛ばされている今の彼では、十字架の先端程度にも耐えられない。
「がぁ、はッ……!? こ、こんなッ……馬鹿なぁあッ……!」
ヒトであることを捨て
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