黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第8話
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そ完全に黙らせるべく、グールベレー隊員はナイフを引き抜き、彼の喉首にその刃を突き立てようとする。まさしく、絶体絶命であった。
「……!?」
その時、アサルトスパルタンの視界に人影が映り込む。グールベレー隊員の背後――教会の鐘がある高台。そこによじ登ろうとしていた1人の少年兵が、アサルトスパルタンの目に留まったのだ。
(あいつ……確かこの下に居た、上杉とかいう外人部隊の……!?)
その少年兵の正体は、この教会の中に居た上杉蛮児。彼はアサルトスパルタンを救うため、無謀を承知でここまで登って来ていたのだ。さらにその手には、アサルトスパルタンが先ほど手放したバズーカが握られている。
改造人間に対抗するために開発された、スパルタン用の特製バズーカ。それを生身の人間が使おうものなら、どれほどの「反動」が襲い掛かって来るか。並の人間なら、容易く想像が付くことだろう。
だが、上杉蛮児という男にその常識は通用しない。並の人間を遥かに上回る体力を持ち、なおかつ並の人間よりも遥かに馬鹿な彼は、「アサルトスパルタンを救う」ことしか頭にないのだから。
「喰ッ、らえぇえぇーッ!」
「なっ……!? ぐぉあぁあぁあッ!?」
スパルタン用のバズーカを軽々と構えた彼は、そのままグールベレー隊員の背に弾頭を直撃させてしまう。生身の人間が外骨格ありきの武装を使う事態など想定外だったのだろう。予期せぬ攻撃を背に受けたグールベレー隊員はナイフを落とし、背中を押さえてのたうち回る。
「ごへぇっ!?」
一方、あまりの「反動」に吹き飛ばされた蛮児は教会の鐘に頭をぶつけてしまい、盛大な音色をこの空に響かせていた。そして、そのまま目を回して昏倒してしまう。
「ふ、ふへへ……ざまぁ、みやがれぇ……!」
「あのガキ、無茶しやがって……! 外骨格も着ないでスパルタン用のバズーカを撃つなんて、死ぬ気かよッ……!」
その様子を見届けたアサルトスパルタンは彼の身を案じながらも、最後の力を振り絞って立ち上がって行く。こうなってしまったからには、恐らく彼もグールベレー隊員のターゲットにされてしまっただろう。彼に危害が及ぶ前に、勝負を付けなければならない。
「ぬぁああッ……! と、取るに足らん兵卒の小僧にこの俺がぁあッ……!」
「……だが、悪くない働きだぜ新兵。いや……上杉蛮児1等兵ッ!」
背中の肉を抉られながらも、何とか体勢を立て直したグールベレー隊員。彼は憎悪に満ちた眼で蛮児を睨み付け、気絶している少年兵に引導を渡そうとしていた。
アサルトスパルタンは、その「隙」を決して見逃さない。蛮児を救うべく、この戦いに決着を付けるべく。グールベレー隊員が落としたナイフを拾い上げ、一気に飛び掛かった。
「ぬぐ
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