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仮面ライダーAP
黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第7話
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…ッ!」

 徳川清山。シェードの創設者であるその名を耳にした青年は、ギリッと歯を食い縛る。この惨劇を招いた諸悪の根源、というだけの理由ではない。彼と同じ日本人であるという事実は、この国で暮らしていた青年にとっては非常に重い意味を持っていたのだ。

「……私達はその徳川清山のせいで差別され、こんな無茶な任務を押し付けられた。これほどの災厄を起こした日本人の1人なのだから、せめて最期はこの国のために死ねと言われた」
「ほう。ならば貴様は、そんな下衆な連中のために死にに来たということか?」
「私達だって……そんな理由で死にたくなんかない! だけど……それでも! だからこそ(・・・・・)! 謂れなき迫害に! 謂れなき攻撃に晒されている人達を……見捨てるわけには行かないんだッ!」

 シェードの創設者と同じ日本人であるという理由での差別。その理不尽に晒されていながら、青年は自分と同じ「弱き人々」を守るため――小銃を連射する。激しい銃声に反応してか、瓦礫の山に埋まっていたスパルタンの腕がピクリと動いていた。
 しかし、所詮は生身の人間が扱う通常兵器。グールベレー隊員の肉体に並の銃器が通用するはずもなく、傷一つ付けられないまま弾薬が尽きてしまうのだった。

「……その心意気、嫌いではない。ならばせめて、苦しむ暇もなく……一瞬で死ね」
「うッ……!」

 それは、彼なりの情けだったのだろうか。グールベレー隊員はツカツカと青年の前に歩みを進め、首を刎ねようと腕の刃を振るう。苦しむ暇を与えないよう、介錯するかのように。

「……!?」

 だが、次の瞬間。グールベレー隊員の背後に積まれていた瓦礫の山が突然弾け飛び――その下に埋められていたスパルタンシリーズの戦士が、仮死状態から覚醒する。半死半生の身でありながら息を吹き返して来た彼は、疾風のように地を駆けてグールベレー隊員の眼前に現れる。

「……!」

 そして、腕部に装備された高周波ブレードで、グールベレー隊員の刃を受け止めてしまうのだった。鮮血に塗れた無惨な姿になってもなお、その闘志は健在だったのである。

 スパルタンシリーズ第17号機――「SPR-17ソニックスパルタン」。その外観は、「仮面ライダーゼロワン・シャイニングアサルトホッパー」をベースとしている。
 鎌状の腕部高周波ブレードは、「仮面ライダーオーズ・ガタキリバコンボ」のものを想起させるシルエットだ。背中には「仮面ライダーファイズ・ブラスターフォーム」のバックパックを彷彿させるスラスターが搭載されており、全体的にガンメタリック基調となっている。

「……まさか、シェードの改造人間と気が合うとは思わなかった。君の心意気、僕も嫌いじゃないよ」

 その外骨格を纏うアレクシス・ユーティライネン中尉は、グー
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