黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第6話
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バレットスパルタンとランバルツァーの一騎打ちが始まった頃。時を同じくしてエンデバーランドの各地では、マルコシアン隊のスパルタン達がグールベレーとの戦闘を開始していた。自分達の「完全上位互換」である超人達を前にしても、彼らは臆することなく敢然と立ち向かっている。
「良い……良いわグールベレー! この血肉を削ぎ落とし合うような闘い……この滾り! 私は……こういう果し合いがしたかったのよッ!」
グールベレーの戦闘員と交戦している、第16号機――「SPR-16サムライスパルタン」の鎧を纏うジュリウス・カドラリスもその1人であった。未だに稼働している市内の製鉄所。その施設内で戦闘員と刃を交えている彼女は、かつてない強敵との殺し合いに心を躍らせていた。
「さぁ……もっと、もっとよ! 血反吐吐くまで戦って、私を楽しませて見なさいッ!」
仮面の下で狂気の笑みを露わにしている彼女は、高周波ブレードの一種である超振動刀剣を巧みに振るい続けている。溶鉱炉の真上に位置する狭い鉄製の足場を舞台に、彼女は戦闘員との剣戟を繰り広げていた。
本来この外骨格は、「アームドアーマー」と呼ばれる多様な追加装備を状況に応じて使い分ける「ガジェットスパルタン」という換装素体型であり、黒基調のアーマーの各部には武装マウント用の取付部が備わっている。
さらに両肩には黒と金のツートンカラーで塗装された裃型の追加アーマーが装備されており、その外観はさながら和の要素を取り入れた「仮面ライダーリュウガ」のようであった。
「あの『主任』からはまた、『テスト装着者としての自覚を持て』……なんて言われるんでしょうけど! 兵器として最も肝要なのは……相手に勝つことなのだから! しょうがないわよねぇえぇッ!?」
彼女は独自の拘りで、この近接戦特化の装備のみを使い続けている。それは、命を間近で削り合うような殺し合いがしたい……という倒錯的なものであった。
物理ダメージを減じる超振動装甲の副作用で何度も吐血しながら、彼女はなおも歓喜の笑みで刃を振るい続けている。これまでも散々聞かされて来た「開発主任」からの「小言」など、意にも介していない。
「はぁあぁあッ!」
狂気を剥き出しにした振る舞いとは裏腹に、その太刀筋は流麗であった。まさに、達人の剣術と呼ぶに相応しい一閃。その閃きが、グールベレーの戦闘員を絶え間なく攻め立てている。しかし戦闘員の方も、同系統の高周波振動大剣でその悉くを受け流していた。
「狂人め……貴様のような人間、我々でなくても生かしては置けぬわッ! この場で細切れにしてくれるッ!」
「……ッ!?」
しかも――サムライスパルタン
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