黎明編 仮面ライダースパルタンズ 第5話
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など、私は断固反対ですッ! 部隊全体の士気に関わりますッ!」
屈強な叩き上げの兵士達を従えている、若手の士官達。彼らの慇懃無礼な態度に、ヴィルヘルムは怒髪天を衝く勢いで怒り狂っていた。しかし、当のジークフリートやアビスは涼しい顔で顔を見合わせている。彼らは怒るどころか、ジュリウス達の「活きの良さ」に喜んですらいた。
「……期待して良いか、だと? もちろんだとも。お前達が望む方法で『実力』を証明してやる。何が得意だ? 言ってみろ」
「私は剣術です」
「俺は格闘術だ。ここの連中は全員それで黙らせた」
「小銃の分解結合、そして射撃だな」
「よし、片っ端から全部やるぞ。すぐに準備しろ、俺達も着替えて来る」
「了解!」
ジークフリートとアビスからの提案に、ジュリウス達は嬉々として応じていた。彼らは2人に敬礼した後、踵を返して素早く「腕試し」の準備に取り掛かって行く。そんな若者達の背中を、ヴィルヘルムは忌々しげに睨み付けていた。
「全く、あの無礼者共が……! 今度という今度ばかりは、お2人の考えには賛同しかねますぞ! あんな礼儀知らずな連中を我が隊にスカウトしようなどと……!」
「ヴィルヘルム、さっき言った『慣習』のことを覚えているか?」
「『星の数より勝ちの数』、でしょう? それが何だと仰るのですか!」
「この基地に居る連中は全員、その『慣習』の通り徹底的な実力主義だ。そういう連中を、あいつらはすでに『ここのやり方』で黙らせている。士官学校を出て5年も経ってないような、ケツの青い若造共が……だ」
「……っ」
「実力主義の叩き上げ連中が、士官学校を出たばかりのお坊っちゃん共に心から服従している。それはつまり……地獄とまで言われた第4基地の荒くれ者達が、『洗礼』どころか『返り討ち』にされたということだ」
「無論、本来ならあり得ないことだろう。だが奴らは、その不可能を可能にしたんだ。国の威信を賭けたスパルタンシリーズを任せるからには、それくらいは軽くこなせる奴らじゃないとな?」
苛立ちを露わにしているヴィルヘルムに対し、ジークフリートとアビスは不敵な笑みすら浮かべている。男達の鋭い双眸は、才気に溢れた若獅子達への「期待」に輝いているようだった。
――そして、その後。全ての得意分野でジークフリートとアビスに完敗し、高慢な鼻っ柱を叩き折られたジュリウス達は、マルコシアン隊への「配属」が確定してしまうのであった。
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